はい、部屋の中で放し飼いにしてしまうほうがトイレ習慣をつけやすいです。狭いケージのなかで「こっちはトイレ、こっちは寝床」と犬には区別しにくいことをわざわざ苦労して覚えさせるよりは、広いところで好きに排泄をさせて<たとえまぐれでもちゃんとトイレシートの上でできた>という誉める機会を作るほうが犬にとっては理解しやすいです。「あの浅い箱に入っている薄っぺらい紙の上でおしっこしたときだけはやけに誉められるなぁ。誉められるのはうれしいから次もあそこでしよう」、犬がトイレを覚えるとはそういうことなんです。
匂いをつける小ワザは犬にとっては「前もここで誉められた」の手がかりにすぎません。匂いがついていればまたそこでするというものではなく、そこで誉められたという事実が犬には重要なんです。した直後に誉めるのが犬にとってはインパクトが強く喜びも大きいため、その意味からもいつも目の届くところで<トイレでできた>の機会を作るほうがいい練習になります。ケージが仕事机から見えない場所にあるのはトイレの練習にも両者が信頼を築くのにも両方ともに不利ですね。さあ、ケージの扉を開けちゃってください。

おしっこを拭く手間を減らして部屋をきれいに保つにはカーペットは撤去してしまうほうがいいですね。おしっこが染み込んでしまうとやっかいですから。トイレの習慣ができたらまた敷けばいいことですから。カーペットの上ですやすや寝ている犬を見るのはいいもんです(笑)

> 犬の躾に飼い主の力量が問われるのは本当ですね。

いいえ、力量やテクニックなんかなーんにも関係ないです。みなさん、しつけのことをむずかしく考えすぎます。ちゃんと教えなきゃとかいい子に育てようとか、そんなふうに考えていると小手先のことばかりに目が向いて「まだできない、なかなかできない」とイライラするだけです。
しつけなきゃと身構える必要なんかまったくありません。いかに愛するかです。いてくれるだけでうれしいよと心から思えれば気持ちは犬に伝わり、してほしいことは自然に覚えるようになり、してほしくないことはしないようになります。それが結果的にしつけをしたということになるだけの話です。

大人の捨て犬でもなんにも心配はありません。チャップと会えてとてもうれしいというまさひろさんの気持ちがあるかぎり、チャップはまさひろさんにとって世界一の愛犬になりますよ。