獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200507-4

Re:喧嘩で困ってます
投稿日 2005年7月2日(土)03時46分 投稿者 パールちゃん

はっつんさんへ。
複数のオスと1匹のメス、いちばん喧嘩になりやすい組み合わせですね。
先住だとか夫婦だとか親子だとかは犬は関係ありません。最も若いオスももう9ヶ月ならオトコとしての主張をします。
もともとが多数でなかよくという犬種ではないこと、オス3に対してメス1の組み合わせ、性衝動に関して血気盛んな年齢、3対1の喧嘩になってしまう構図、喧嘩のときは降参しても心の底から負けてはいない関係、そういうことが原因だと思います。

さて、困りましたね。
解決するには決着をつけさせるしかありません。順位をはっきりさせることが共存の道です。そのためには思い切った喧嘩が必要で、それは血を見る悲惨なものになります。殺さない程度にこてんぱんにやっつける、殺されない寸前までやっつけられる必要があります。
「あいつ、気に入らない」というのはかなりしつこく続きます。性衝動が減れば喧嘩が治まるかというとそうでもなく、何度か対立した者同士は去勢手術をしても避妊手術をしてもその後も対立を続けます。また、年齢を重ねても対立は解消しません。「あいつの態度が気に入らない」から「あいつの存在自体が気に入らない」に悪化していきます。

お先真っ暗なことばかり書いて気が滅入るかもしれませんが、これは多頭飼いにつきまとうことです。たくさんいて楽しい反面、悩みはつきません。我が家もそうです。
どうにか折り合いをつけていっしょに暮らしていく最善の方法は、死という結果にならない程度に喧嘩をさせてやることだと思います。犬同士がはっきりと順位を自覚するしか解決方法はないと思います。けっこうむずかしいですけどね、これ。大怪我を覚悟ってことですから。
喧嘩をどこまで許すか、どこで喧嘩をやめさせるか、どの時点で人が介入するか、とっても微妙です。劣勢なほうが負けを認める態度を取ったり戦意を喪失する態度を見せるまでは人はどーんと構えて見守っているほうがいいのですが、大怪我をするのがあきらかなのに見守っているというのは私もできません。頭では今やめさせちゃだめだと思っているのにどうしても手を出してやめさせてしまいます。そして、そのたびに興奮した犬に噛まれることも数度(泣) 手の指の関節に牙を立てられて救急病院に駆け込んだこともあります。

そんな私が偉そうなことは言えないのですが、試行錯誤の結果少しわかってきたのは、犬の順位決定は犬同士に任せるしかないということです。先住だったり年齢が上だったりしてもだからその子のほうが上位ということはまったくなく、犬の世界は強い者が勝って弱い者は負けなのです。人はそれを尊重してやり、勝ったほうを誉めてやる必要があります。負けて怪我してかわいそうと敗者のほうを気遣ってしまうと勝者にはそれはおもしろくありません。それがまた次の喧嘩の原因になります。弱い者をかわいがるのは強い者が見ていないところで・・それが私のたどりついた方法です。

長くなってしまってすみませんが、あとひとつ。
劣勢の子を隔離するのはだめです。はっつんさんのおうちの場合、先住犬を別ケージにしていることです。それは、飼い主がその子を特別扱いしているとほかの犬たちに思わせることになるので嫉妬や「あいつ、生意気だ」という気持ちを芽生えさせることになります。隔離された犬も不安で不安でしかたなくなります。広い敷地があって気配も感じないほど離せるのなら別ですが、そうでない環境のときはいっしょにしてどうにか折り合いをつけていくほうがいいです。
下位に甘んじても犬は不幸ではありません。下位を自覚した犬はそれなりに幸せに暮らしていく方法を自然に身につけます。

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