獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200507-51

Re:散歩中のワンワン
投稿日 2005年7月9日(土)02時41分 投稿者 パールちゃん

まいまいさんへ。
トレーナーさんが言うように群れとしての協力関係が完成していますね。いいことですよ、それは。好都合です。1匹が変わればみんなが変わります。まるでオセロゲームのように・・・。

子ども犬が散歩中によその犬にワンワン言うのは警戒しているからです。警戒しているときに「おすわり」や「待て」なんかできません。無理です。さらに悪いことに、警戒中に飼い主がかける声は犬にとっては励ましとしか聞こえません。「いいぞ、もっと吠えろ。よし、もっともっと吠えろ」として伝わっています。まいまいさんの態度は吠えることを助長させてしまっています。
警戒して吠える犬に吠えるのをやめさせるには、警戒しなくてもいいんだよということを理解させるしかありません。「な〜んだ。別にどうってことないや」と思わせる行動にもっていくというわけです。

吠える子だけ単独で散歩に行くようにしてください。わざとよその犬に会う機会の多い時間帯やコースを選ぶといいでしょう。慣れさせてしまうのです。
よその犬を見て吠えまくっても一定の速度でそのまま歩いてください。まいまいさんはリラックスして、吠える犬に声はかけずにそのまま歩いてください。相手の犬に近づくとますますけたたましく吠えるでしょうが気にせずに。そして、吠えさせたまま歩みを止めずに相手の犬とすれ違ってください。すれ違うとき相手の飼い主さんに「うるさくてごめんなさい」と一言告げて頭を下げておくと感じがいいと思います。でも大きな声で話しかけたり立ち止まったりしてはダメ。まいまいさん自身が「警戒する必要なんかないよ〜」という態度でさりげなくすれ違うことがこの訓練の最大のポイントですから。それを見て子ども犬は「あれれ? 警戒しなくていいの? 大丈夫なの?」と思うようになります。
根気よく毎日こういう散歩を繰り返してください。子ども犬が極度の怖がりならホントに根気よくやらないとだめだと思いますが、吠えない犬にするにはこれがいちばんイヌの行動心理に基づいた作戦なのでぜひがんばってください。

冒頭で「1匹が変わればみんなが変わります」と書きましたが、「1匹が変われば」の「1匹」とはまいまいさんのことです。まいまいさんも群れの一員です。そしてリーダーです。リーダーは群れを率いていく役です。警戒心に油を注ぐ「だめっ」「おすわりっ」「待てっ」の連発では下っ端たちの不安はいつまでも消えません。リーダーは堂々としてください。前からよその犬が来ようが子分がワンワン鳴こうがそんなことは気に留めずに堂々と歩いてください。

犬しか見ていないとトレーナーさんが言うように「直すのはむずかしい」という判断になるでしょうが、じゃそのとき飼い主が取っている態度は正しいのか?となるとそこにいくらでも解決の糸口を見つけることができます。飼い主さんが犬の問題行動と思っていることの大半は実は飼い主自身が取る態度に問題があることが多いんです。
犬を直すのではなく自分を直す、そういう考え方をしてみてください。

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