しもさんへ。
食べることに関して犬は貪欲です。食べる物に関しても、食べ方に関しても。それは人から愛されていることを最も実感できる瞬間だからです。
もっとおいしい物を食べたいと言えばもっとおいしい物が出てくる、もっとやさしく食べさせてちょうだいと言えば食器からでなく手から食べさせてもらえる、犬にとってこれほど幸せなことはありません。よくいえば純粋です、愛されたいという欲求が。でも、悪くいえばそれは、どんどんつけあがるということです。
食べ残せばミルクをかけてもらえるともうわかっています。ミルクがけのほうがおいしいのでわざと食べ渋ったり残したりします。手から食べさせてもらうのがクセになっているので食器から直接なんてのは愛されていない気がしてイヤです。犬はそこまで考えています。感情がデリケートでとっても頭のいい生き物なんですよね。
元気があっていいウンチをしているなら基本的に健康だと判断していいです。そういう子はおなかがすけばどんな物でもどんな食べ方でも喜んで食べます。ミルクをかけなきゃ食べないとか手からでなきゃ食べないとかは悪い習慣がついてしまっているわけで、人が苦心して食べさせよう食べさせようとした結果、そうなってしまったといえます。もともと小食なのではなく、人が小食にさせてしまっているのです。このままでは将来いろんな点で困ったことになりますから、選り好みせず、自分からすすんで食べるよう軌道修正してあげてください。
食餌は1日に2回でも3回でもどちらでもいいです。でも、食べ残したといってミルクはかけないように。残したらサッと片づけてください。あんまり食べなかったぶん次の食餌を心待ちにするようになり、次の食餌は一生懸命食べるようになります。手からあげるのはやめて、食器を置いて「はい、どうぞ」にしてください。食べなかったら下げちゃってください。毎回、この繰り返し。1〜2日食べなくても死にはしません。かわいそうと思わずに食餌に関して悪しき習慣になってしまっている部分を改善してください。
フードがなんgとかミルクがなんｃｃとか細かいことはまったく関係ありません。おなかがすけば食べる、生き物として最も単純なこの本能を引き出してあげてください。それがその子のためですから。