獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200509-115

Re:アレルギー
投稿日 2005年9月26日(月)12時11分 投稿者 パールちゃん

華子さんへ。
「顎の所」とは具体的にどのあたりなのでしょうか?
たぶんアレルギーだろうと考えて自己判断で薬やサプリメントを使われているようですが、そうしているうちにますます悪化させてしまうこともあるので獣医さんに診てもらうほうがいいと思います。
華子さんご自身がステロイドを使い過ぎたためステロイドにいい印象をもっていないことや、ステロイド使用による副作用を心配するお気持ちは理解できますが、なによりも優先すべきなのはかゆみを軽くしてあげることです。
ワンコは「掻くとますますかゆくなるからあまり掻かないようにしなきゃ」とは思いませんからかゆければ掻くを必死に繰り返します。その結果、掻くことによる刺激でますますかゆくなり、傷を作り出血しカサブタになり、それが元で新たなかゆみを引き起こします。
かゆみを減らすこと、できればかゆみを止めること、それが物言えぬワンコにとって必要なこと。そのためにはステロイドを使うことが他のなによりも迅速で最大の効果をもたらします。
ご自身の経験からステロイドの弊害はご存知でしょうが、だらだらとステロイドを使いつづけるのがいちばんいけません。が、このくらいの量ならまず重い副作用は出ない、このくらいの連用なら
気にすることはないという『投薬量と連用期間の見極め』さえすればステロイドにまさるかゆみ止めはないと私は思っています。たとえていうならステロイド使用は【肉を切らせて骨を切る】の武士道に通ずるものがあります。デメリットを最小限に抑えてメリットを得るという考え方をすれば、ステロイドは闇雲に恐れるものではないと思うのですよ。

我が家の今年9歳の犬は季節アレルギーで春先から晩秋まで皮膚の発赤とかゆみと脱毛とを毎年繰り返しています。これは体質ですからこの子が生まれもったもので完治は望めません。ならば少しでも楽に暮らすことが先決で、そのために毎年春から秋まで我が家はステロイド常備です。かゆみがひどいときは治療の意味で1〜2日間ピンポイントで強めに服用、かゆみがひどくなりそうな気配のときは2〜3日間弱めに予防目的で服用させます。そしてシーズン最後はいきなり投薬ストップではなく投薬量と期間をフェードアウトさせて犬自身の副腎を守っています。
その子に合った服用量と連用期間を獣医さんのアドバイスの元で飼い主がいかにコントロールするかだと思います。「この子の体重・体格・かゆみの症状から見てこのステロイドを○錠ずつ○日間なら重い副作用は心配しなくていい」と我が家のかかりつけ獣医さんは言います。「ステロイドをまったく使わない子と比べれば代謝系に影響はないとは言えないけれど、かゆみから解放されることを思えばこの子にはステロイドが必要」という見解です。

少しでも参考になれば幸いです。

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