獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200602-84

レスふたつ
投稿日 2006年2月8日(水)14時34分 投稿者 はたの

>りゅうこさん

 関係の見直しはとても良いことですが、くれぐれも焦ったりなさいませんよう。
 寝起きでいったん「緊急防衛モード」の気分のスイッチが入ってしまうと、すぐにはいつもの精神状態に戻ってこられないこともありますから。
 ご主人がコントロールできていれば、まずはおおむね必要な水準に届いていると思います。もちろん、ご主人ご不在の時にどうしよう、という懸念は残りますが、もちともと柴は(系統や個体にもよりますが)自立心が強く、かつ、ワンマンドッグになりがちです。レトリーバーなどと全く同じような親密さや服従性を無理に求めてかえって関係が悪化しても困りますし。
 私が最初に飼ったイヌは、私のイヌになるはずがならずに、父のイヌになりました。抱き上げて風呂に入れようとしたら、噛まれ掛けました。無理はしませんでした。私が抱き上げられるようになったのは、彼が老境に入り、怒りっぽいじいさんを通り越した後でした。
 そのイヌが怒りっぽいじいさんだった頃、妻が、口をこじ開けて薬を飲ませようとして噛まれました(別の子犬をモデルにそういう飲ませかたを示した私が悪いんですが)。この時もだからといって無理はしませんでした。
 もちろん、何がなんでもヒトが譲ってはいけない一線もあります。けれど、ヒトがイヌに譲ってやっていいこともあるわけで。
 関係性(再)構築の目的は、両方が楽しく暮らしていくことですよね。それが、途中で、訓練すること自体が目的にすり替わってしまって際限なくなっていってしまうことがしばしばあります。「訓練性能がよい(=あまり自主的でない)」イヌならまあいいのですが、柴でそれをやると、どちらも楽しくなくなりがちです。どうかお気楽に。

>けりーずはうすさん
 ウチでも10頭ほどですから統計的な意味はありませんが、たとえば、一緒にベッドに寝ていて、イヌが寝ている下の掛け布団の下にヒトが足を伸ばした時、激しく怒るのが1、時折怒るのが2、程度はありました。日本犬系雑です。
 なので個人的には、自分のイヌだろうとよそのウチのイヌだろうと、ことに耳の立っているようなのには、声か、肩や腰を軽く触って起こしてから接触します。まあ、あごを何かに乗っけてよだれ垂らして昼寝しているウマに近づく時、馬房に入る前に一声掛けるのと同じことですね。

 いっそうの勉強をなさるのでしたら、獣医師だけの行動の研究会もありますが、応用動物行動学会や国際応用動物行動学会もお勧めです。「パピーテストや去勢、実感として効果がある気がする、それを(EBMと同様の考えで)客観的に証明しようとして統計にかけた、そうしたら効果が証明できなかった、こまったなあ。でもサ、実感としては効果ある感じだよね・・・」という循環するボヤキが楽しめます。
 若い分野ですから、熱心なかたにとっては未耕の沃野とも言えるでしょう。

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