アレルギー体質改善のためという目的から考えると生肉が良いとも悪いともいえませんね。お友だちの犬にしてみても生肉にしたからよくなったというよりもそれ以前の食べ物、たとえばドライフードに含まれる酸化した脂肪や穀類にアレルギーの原因があっただけかもしれませんし。
生肉といっても、なんの肉のどの部位を与えるかで体の反応は違うでしょう。生肉として入手できるであろう牛・豚・鶏・羊・馬、どれも含まれる脂質や酵素は同じではありませんから与えるものによって合う合わないの差が出ると思います。また、口にするのが生肉だけというのは栄養面で問題です。たんぱく質や脂肪は生肉から摂取できてもビタミンやミネラルは不足します。サプリメントで補うとしてもなにをどのくらい?という新たな課題が生まれますね。
イヌ科動物はもともと、殺したての動物の内臓を食べ血をすすってビタミンを摂り、肉を飲み込んでたんぱく質と脂肪を摂り、最後に骨をかじってカルシウムを得ます。でも現実ではこんなことはできませんよね。殺したてのまだ体温が残る生肉を与えられるわけではないですから。冷蔵庫にしまっておいた生肉を与えることになりますね。冷たい生肉は胃にはよくないですね。消化のしやすさという点では、室温に戻した(夏は腐敗に注意)脂身の少ない牛の赤身肉が現代の家庭犬にはいちばん適していると思います。
食べ物も大切ですが、アレルギー持ちの犬には環境面の考慮も必要です。我が家の場合、食器にプラスチックやステンレスなどの化学製品・金属製品を使わず陶磁器製品に変更、床にワックスなどは使わない、寝床の敷物や布団を洗うときは洗剤を使わず水洗いだけにして太陽に当ててよく乾かす、消臭剤や芳香剤など吸う空気に影響を及ぼすものは使わない等々の工夫をしています。