「そろそろ生理かと思う頃」という見方はしないほうがいいです。犬に生理はないと思ってください。生理はない、あるのは発情、そういう見方をしないとメス犬の性周期を理解しにくいですから。
というのは、｢生理」と呼んでしまうと出血があるかないかを目安にしてしまいがちだからです。発情時に出血のない犬、出血があっても飼い主が気づかないうちに出血がなくなる犬、そういう犬がけっこう多くいます。つまり、出血があったらオス犬に会うのは気をつけよう・・・これでは遅いのです。出血があることだけを目安にしていると、出血のない犬や出血の少ない犬は飼い主が気づかないうちに発情が進み、発情のピークを迎えてしまいます。そして、そうとは知らずに飼い主がうっかりしているうちに、出会ったオスと一瞬のうちに交尾してしまいます。そうなると妊娠はほぼ確実です。思わぬ妊娠をさせないためにも、犬に生理はない、あるのは発情、そう理解しておくほうがいいんですよ。

8歳ポメさんの場合がまさにそうだと思います。粘り気がなく、いやな匂いもしないおりものは、発情のピークを迎えていつでもオスを迎え入れる状態のときのものです。飼い主さんが気づかないうちに発情が始まって今がいちばんオスを求める時期です。オス犬と会わないように気をつけてくださいね。
濁った白色が少しずつ透明になっていきますがそれでも発情は続いています。陰部がやわらかい感じで、さわるとキュッと陰部が動くうちは発情しています。そうでなくなるまでは発情中なんだと思ってください。
濁った白色がいつまでも続いたり、ますます濁ったり、いやな匂いがしたり、おなかが熱をもって熱くなったり、うつぶせで寝ていることが多くなったり、おすわりのときいつもより背中を丸め気味になったり、食欲や元気がなくなったり、そういう様子が見られたら子宮蓄膿症の心配がありますから早めに獣医さんへ。避妊手術をしていなくて発情のたびに思いを叶えられない子は8歳くらいから性ホルモン異常分泌による生殖器の病気が増えますから、よく観察して体調に気をつけてあげてください。