獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-199805-43

とらじろうさんへ
投稿日 1998年5月27日(水)22時31分 寝子

内部寄生虫/蠕虫の中には回虫・条虫・鉤虫・鞭虫等々…
確かに口にするのもおぞましい名前ですね。
好きな人などいないでしょうが、これを専門に研究している学者さんも存在するのだから、、、
猫と人が健康的な生活をおくるためには完全に駆虫する必要があります。それぞれの虫によって駆虫方法は異なりますので、詳しくは獣医さんにご相談ください。
さて、では、どうしたら防げるか、と言うと…
外にいる猫さんはみんな持ってるもの、と思った方がよいです。
色んなものを口にしていますし、ノミが媒体するものもありますし、他の犬や猫の糞便から感染するものもあります。
外猫さんは定期的に年4回ほど駆除薬を飲ませるしかありません。
家猫さんの場合も、間隔を開けて駆虫薬を2回以上飲ませます。条虫の場合は、ノミが媒体するのでノミ退治も同時に行う必要があります。回虫の場合は卵がウンチと一緒に排泄されるので、トイレ掃除はこまめに。理想を言えば暖かい出たてのウンチはその場で処理することが一番です。一般になじみのない名前かも知れませんが、原虫と呼ばれるもっとたちの悪い虫達・コクシジウム・トリコモナス・ジアルジア等も時間がたつと感染し始める形に変化しますので、多頭飼いの場合ウンチを放置しておくのは大変危険です。
話を戻しますが、回虫の卵はウンチからや猫の身体について寝床に落ちたりして、他の猫の口に入り孵化して幼虫となり、腸の粘膜に入り込んで血液を通して肺や肝臓に運ばれ成長し、また腸に戻り成虫になります。腸内の駆虫をしても、体内の別の場所で成長中という場合がありますので、駆虫薬は2回以上飲ませる必要があるわけです。
駆虫薬を飲ませるときは飼っている猫全員に、同じように飲ませなければなりません。飲ませた後はこまめにトイレ掃除をして、ハイターなどに1日以上つけ置き洗い後、天日に干してから使うか、もし丈夫な素材であれば熱湯をかける、または捨てて新しいトイレにする、などしてください。猫の好みの寝床などの敷物なども充分洗濯をし、お日様に当てるか、70度以上の熱湯につける必要があります。人間にも感染しますので、ウンチを扱った後は必ず手をきれいに洗ってください。
ニンニクのパウダーなどが効果があるといわれていますので、猫に飲ませても大丈夫な製品が見つかれば試してみる価値があるかも知れません。その場合は毎日・毎週というように定期的に飲ませる必要があるようです。飲ませていると蠕虫に感染することはあっても数が少なくなるといわれています。
母猫の母乳を通して子猫に感染しますので、出産前に駆虫して、子猫の検便は必ず行いましょう。でも検便で出ない場合もありますから、駆虫薬を飲ませられる時期になったら処方してもらうと良いでしょう。市販でも駆虫薬が出回っていますが、獣医師から処方してもらう方が安心です。

子猫のおのろけ、聞かせてくださいよ。

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