獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200011-91

ちょっと訂正のつもりが 
投稿日 2000年11月28日(火)12時16分 プロキオン

昨日の私の書き込みで訂正箇所があります。

「「肉腫」というのは免疫反応であり、」という箇所なのですが、「「肉芽腫
」というのは免疫反応であり、」に訂正です。


もとより「肉腫」は免疫反応ではありません、「肉芽腫」が免疫反応でした。
ワクチン接種部位に「肉芽腫」が形成されることがあり、この肉芽腫が最悪の
ケースで「肉腫」に転じる可能性があるということです。最終的な帰結として
肉腫という単語が使用されていますので、うっかり肉腫と書いてしまいました
が、ステージと単語のもつ意味からは「肉芽腫」としなくてはならないところ
でした。

人のおける「大腿四頭筋萎縮症」は、医者による同一部位への度重なる注射が
原因であったとされています。これは注射による筋肉繊維の断列を修復さるた
めに「肉芽組織」が形成されておきています。
「肉芽腫」の場合は、体内にはいった異物に対して免疫を担当する細胞が反応
して、マクロファージ、類上皮細胞、繊維結合組織等が、異物を取り囲むよう
に結節を形成したものです。この反応は生体の防御反応の一環であり、正常な
ものです。
「肉腫」というのは、非上皮性の細胞が正常なコントロールから外れて、制御
できない増殖を始めてしまったものです。

単語自身も似ていて混乱の原因なのですが、私は個人的には猫自身に原因あり
とも、ワクチンが原因とも考えていません。
「猫本人」「ワクチン」そして「獣医師の接種手技」も関連しあっていると推
測しています。私の考えそのものはとるに足りないことですが、「ワクチン接
種プログラムの変更」は、2年経過した今も、新たな検証材料は提出されてい
ません。
今現在の時点で、片方の意見が正しいかのような流れになることは、好ましく
ありません。
掲示板閲覧者が獣医師にワクチン接種部位の変更や間隔の延長を申し入れた際
、主治医が私が書き込んだような説明をその都度させられるのも大変ですし、
はたして先入観なしに聞くことができるでしょうか?
「時代遅れ」とか「不勉強」「金儲け主義」とかの評価が生じる恐れはないと
は言えません。これは獣医師としてのアイデンティーからは認めがたいと言え
ますし、主治医と患者の信頼関係を損なうものです。

現状を追認しろといっている訳ではなく、「主治医の考えを尊重して欲しい」
ということなのです。ワクチンをどこへ接種しようが、接種間隔をあけようが
それ自体は飼い主の希望であれば、たいした問題ではありません。

ワクチンについては、何をどのように接種するかは結構おおきな問題で、その
ことについて、今は「時の審判」を待たなければならない状態なのです。この
ときに第三者から、あれこれは言われたくないのが本音ですね。

この問題については、今日明日にも結論が必要ですか?  猫達の為にどちら
が望ましい結論であるか考える時間はあっても良いのではないでしょうか。

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