獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-200912-1

Re4:猫の必要カロリーについて
投稿日 2009年11月2日(月)14時57分 投稿者 プロキオン

NAVIさん、猫が過肥か否かということになると、これは主観的な表現ではなくボディーコンディションスコアー(BCS)でお話した方がよいと思います。当該猫を直接診察されている獣医師2人にして、受け取り方とコメントが異なっているわけですから、これはどちらが正しい正しくないと言っても始まりませんし、私に至っては猫とも会っていないわけですから、正しい判断はできかねます。
本来的には、どちらの先生もBCSでこの範囲ですので、私はこのように判断していますというように言ってくださると、第三者にも程度が伝わると思います。( これを解釈するに、おろらく肥満というように受け取っていらっしゃらないのかもしれませんが。 )
ならば、なおのこと肥満にさせてしまってはいけなように思います。

先日のレスでも言及しましたが、野良猫にしても子猫にしても餌を口にする機会があれば、満腹であろうとなかろうと可能な限りお腹に詰め込もうとします。これは次にいつ食物を口にすることができるか分からない肉食動物の性のようなものです。これに任せてほしがるまま給餌していたのでは、健康のためにはなりません。
よく野生動物は食べる事ができるものと出来ないものを見分けることができると考えられていたり、牛や山羊等も毒草を見分けて食べないというように受けとられてしまっている方々が大勢いらっしゃいます。でも、これは誤っています。彼等は、そういう能力をもっておりません、代償をはらって学習しているのです。
最初からそのような能力をもっていたら、「オトギリソウ中毒」とか「夾竹桃中毒」「ワラビ中毒」とか植物の名称を冠した中毒名は存在していなかったでしょう。犬や猫にしても「タマネギ中毒」のような中毒は存在し得なかったはずです。彼ら、彼女らは、それなりの代償を払ってきているのです。
過肥や肥満ということになると、このような急性は変化でもありませんし、とくに有毒なものを摂取しているということでもありません。しかし、猫においては糖尿病のコントロールというのは、犬に比較してもむずかしい動物です。また、糖尿病といわず、そのほかにも心臓に負担をかけてしまいますし、さまざまな疾病の誘引となりかねません。
肥満状態になってからよりも、なる以前に防いであげる事の方が親切であると思います。適切な食餌の量を知る術は彼らにはありません、フードごとのカロリーの差異を承知しているわけがないのです。

その猫にしても、今はきっとNAVIさんを鳴けばすぐに餌を出してくれる餌係として訓練しているのですよ。この事自体は、多くの飼育書でも言及されているはずです。猫からの働きかけにどの程度応じてくれる飼い主であるかで、その後の猫の性格も影響されてきます。動物と付き合っていくのに大切な事に、あくまでも飼い主である人間が主人であることを教えておくことがあります。これを知らない動物は、さまざまなトラブルを引き起こしかねませんし、仮に病気にかかったときにも病院の手を焼かせて治療に支障が生じることがあります。それどころか、飼い主さんまでがいっしょになって猫が可哀想だからという理由で治療を拒むことすらあります。薬の服用はできない、注射も嫌、でも治してという無理な注文をすることとなります。
猫に芸をしこむ必要はありませんが、駄目な事は駄目と教えておく事は必要です。待ち伏せ狩猟型の動物である猫は、空腹には相当強いです。鳴けば餌が差し出されるという自動給餌器に飼い主さんがなってはいけません。栄養が足りているのであれば、過肥になるまで与える必要はないでしょう。

今、給餌している子猫用の餌を与えたいのであれば、これは量としては相当に減らさないとなりません。量(かさ)として与えたいのであれば、別に成猫用の餌にあらたに切り替えるべきでしょう。その方が猫の不満は小さいはずです。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2022 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。