獣医師広報板ニュース

フェレット掲示板過去発言No.1400-200509-52

さんざん、悩んだのですが、
投稿日 2005年5月8日(日)13時11分 投稿者 プロキオン

私としては、一連の投稿は、5月5日の匿名さんの投稿で治まったと考
えていましたので、また、ここで話をすることに迷いがありました。

動物フォーラムは、各々の動物の飼い主さん達が交流する場であって、
楽しい話題や、病気についてであっても、励ましあったり、慰めあった
りする場であると考えています。
ですから、恨みつらみや、特定の個人や会社、商品に対するクレームを
延々と書き込まれても、電車やバスの中で大声で泣きわめかれているよ
うで、例え実際に起きたことであっても、良い気持ちはしません。

それまでの和やか場の空気が損なわれてしまい、他の多くの乗客の方は
引いてしまって、書き込みができなくなってしまいます。
「GnRH製剤」の関わる投稿をしてはいけないというのではなく、捨て
鉢な発言を止めて欲しいのです。前向きな姿勢で広く全体の問題として話
を進めていってほしいのです。
もっと、他者の気持ちに配慮した発言である事を望みます。

前回の一連の発言の際にも感じたのですが、アルファベット表記の方2
名の発言が、著しく重なっていて、ハンドルネームを隠して読んだので
は両者の区別がつきませんでした。
今回の一連の投稿でも、この点について同じことを感じています。私の
ようにときおりあちこちのBBSを訪問する者にとっては、流し読みし
てから、ハンドルネームに目をとめるので、とくにそれを感じます。
前回の投稿で、「誤解している方が多いようなのですが」と表現したの
は、確証がなかったことと私なりの配慮からでした。

7日付けでDavid Campbelというハンドルネームの方が登
場されていますが、私はこの方獣医師ではないと考えています。
メールアドレスのアカウントに「JAHA」を用いてよい者は、その団
体の会長さんしかおられないでしょう。
理事等の役員さんや事務局にしても、ドメインやサブドメインの方で、
「JAHA」を使用されるはずだと思いますね。
また、発言内容が副腎疾患を1つの範疇でしか考えておらず、「GnR
H製剤」が登場してきた経緯を御承知ないようです。
つい、4年程前のできごとであって、これら製剤を紹介してくださった
先生方の報告を御存知ないようです。フェレットの診療というのは、歴
史が浅く、獣医師達は各々がセミナーや勉強会で学ぶしかないわけでし
て、いきおい、情報は共有される頻度が高くなるのです。
具体的なことが、なにひとつ記載されておりませんしね。獣医師同士の
クローズスペースでならともかく、飼い主さんや製薬メーカーに目に触
れるオープンスペースにおける発言としては獣医師らしい見識が感じら
れません。


5月5日の匿名さんの投稿の中の内容に答える形になりますが。

話の前提として、「副腎の機能亢進状態」、「過形成(過誤腫)」、「
腺腫」、「腺癌」というような状態があると頭に入れておいて下さい。

この疾病に積極的に取り組んできたA先生のお話によると、この疾病で
苦慮したのは、
1、性腺除去(避妊去勢)が不完全な個体が見られることがあり、この
  疾病との鑑別が必要であったこと。
2、性腺ホルモンの定量検査を実施してくれる検査機関があまりなく、
  また料金が高かったこと。
3、脱毛等の症状だけでは、試験開腹への飼い主さんの同意が得られに
  くかったこと。
4、進行が早く、開腹時にすでに副腎皮質腺癌が形成された個体がしば
  しばいたこと。
5、左側副腎だけの問題ではなく、両側性に移行している個体が存在す
  ること。

つまり、4年前までは、開腹手術しか治療法方がなく、そして、1、2、
3、の理由から、飼い主さんを説得しても遅きにしっした事が多かった
ということなのです。
そして、外科手術にしても、左側の副腎であれば、副腎腰動脈と腰静脈
の処置で済んでも、右側においては、肝臓の尾状葉に隠された位置にあ
る副腎であって、さらに血管的に後大静脈にその一部もしくは全体が接
しているというむずかしい条件があります。
この条件の上にさらに、副腎は生命の維持に欠かす事ができない臓器で
す。両側の副腎の摘出は、そのままでは即生命の危険が生じてしまうの
です。と言いますか、そのままでは死んでしまいます。

前回の投稿で、副腎を摘出しても次の問題がまっているというのは、こ
のことであり、片方摘出しても、残りの副腎が癌化しないための治療が
必要なのです。
そして、そのための処置が5日の匿名さんの投稿に書かれています。

すなわち、「GnRH製剤」は、片方(だいたいが左側)の副腎を摘出
した後に、残された副腎を抑制するという目的のために登場してきた経
緯があるのです。
と、同時に1、2、3、という問題に対応する用い方も可能となったわ
けです。

副腎疾患と言っても、1つの疾病ではないことは、先日述べたとおりで
す。まず、「GnRH製剤」を使用してみて、患者の反応から状態を確
認するという作業があります。
効果があれば、手ごたえがあれば、そのまま使用を継続していく。効果
が見られなければ、さらに血液検査やエコー等を試みて、オペに進むと
いうことです。切除がうまくいっても、残されて副腎のために、この「
GnRH製剤」が必要になるということなのです。
つまり、匿名さんの主治医の先生は、理屈にかなった治療方法をとって
おられることになります。

「切るしかない」「切ても無駄に終わった」「切ることもできない」と
いう時代から、「切らなくても済むかも」を得て、「切った後の維持」
という手法をフェレットは手に入れる事になったわけです。

それでも、残された右側の副腎が腺癌に移行してしまっている症例には
効果が期待できないことには変わりありません。
しつこく、「この製剤の効果がないない」と発言を続けている方に対し
て。私が気になるのは、この点です。
今、現在、この薬によって治療を受けている飼い主さんが達は、その発
言を見てどのように感じられるでしょうか?

海外で使用されている製剤と国内で流通している製剤とでは、持続期間
と処方量に違いがあるのですが、その点はA先性やH先生の投与試験の
報告があります。研究会でのこの報告があるからこそ、急速に使用する
獣医師が増えたのです。
T先生の場合は、副腎皮質腺癌に対して、通常の抗癌剤を使用した経験
もあるようですが、抗癌剤では抑制できなかったとのことであり、現状
では、「GnRH製剤」が腺癌にはその効果が期待できないものの、も
っとも遣い勝手のある薬剤ということになると思われます。

「治る」「治らない」を別にしても、次ぎのような利点をT先生はあげ
ておられます。
1、体調が悪化している患者を手術が検討できる状態にまでもっていく
  ことができるようになった。
2、手術不可能の患者、飼い主から手術の同意が得られない患者の症状
   の改善、延命効果の期待。
3、他の疾患との鑑別、診断的治療への展開。

指導的な立場にある先生方は、だいたい「過形成」「腺腫」「腺癌」と
3つに分類していて、同じ疾病としては扱っておらず、臨床症状からの
鑑別はむずかしいと述べています。
また、副腎皮質の腺癌となっているものは、脈管の機械的損傷だけでな
く全身への転移ということも起きるのです。
「手術しか治す方法がない」というのは、問題を軽視した考えです。手
術しても問題をリセットできたわけではないのです、スタート時点にも
戻っていません。

この疾病をひと括りにしてはならないし、問題の大きさ深さも知らなく
てはなりません。
100%効果がないと思いながら、投薬しているのであれば、それは獣
医師ではなく、詐欺師です。また、それは「手術だけが正しい治療法」
というのとどう区別されるのでしょうか?
医療に100%の絶対はあり得ません、昨日よりも今日が少しでも前に
進んでいて欲しいということだけです。


# プロバイイダー責任法が成立してからは、特定の商品について、執
  拗に「駄目だし」を続けますと、記載したものだけでなく、掲示板
  の管理者にも責任が及びます。
  私自身は、一連の投稿を続けている方を議論している気はありませ
  し、説得しようという意図もありません。
  (私の言い分に耳を傾けてくださりそうもありませんので)

  もっぱら、ミスリードが起きないようにと製薬会社からのクレーム
  が管理者宛に届かないようにです。
  せっかく、なつさんやmasamiさんの書き込みで、元の雰囲気
  に戻ろうとしているのですから、もうよいではないですか。

私が書くべきか、どうか悩んだのは、この投稿でまた火に油を注ぐこと
にならないかなのです。
私は、もうお相手できませんよ。煽り行為であれば、こちらBBSには
ふさわしくありませんから、どうか他所でお願いします。




◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。