昨日の夕方5時過ぎ、うーちゃんにゴハンをもっていきました。
「うーちゃーん、ゴハンだよ、、うー、う、、いない！！！」
誰かが閉め忘れたのでしょう、うーちゃん陣地の屋根板がずれていました。
そこからジャンプ1発、1メートルほどの高さの金網を飛び超えて脱走したにちがいありません。

「うーちゃーん、うーちゃーん」と回りを探してみると、
いました、いました、20メートルほど向こうの資材置き場にうーちゃんがいました。
こわがらせてはいけないと思い、しゃがんで「うーちゃん、うーちゃん」と名前を呼びました。
いつもゴハンをあげるときのようにビニール袋の音をサワサワさせると、
うーちゃんはピョン、ピョンとこちらへ向かってきました。
おなかがすいているのでしょう。
でも、5メートルより近くへは来てくれません。
「うーちゃん、ほら、タンポポだよ。ニンジンもあるよ」。
ピョン、ピョン。あと3メートル。
でも、いきなりワッとつかまえられるはずはありません。
そんなことを1回でもしたらうーちゃんはこわくてどこか遠くへ逃げてしまいそうです。
無理矢理つかまえて怪我をさせるのはかわいそうだし、
ただでさえ不安なうーちゃんにパニックは禁物です。
ただっ広い敷地なので、どこかに追い込んで捕獲するというわけにもいきません。

30分近くそうしてうーちゃんの名前を呼んで、どうにかウサ小屋近くにひきつけておきました。
あたりはどんどん暗くなってきました。
そこへ飼い主の会社の人と思われる職人さん2人がトラックで帰ってきました。
私「大変ですー、ウサギが逃げちゃってますー」
職人A「え? またかいな。前も逃げたんさー。つかまえたとき親方が指を噛まれて大変だったんさー」
職人B「あっ、あそこにおるおる」
職人A「追いかけたらよけいに逃げるからあかんで」
職人B「ほな、親方に電話しよか」
職人さんは親方に電話をして状況を説明しました。
でも、あたりはすでに真っ暗になってしまっています。
暗いところではどうしようもないので、親方の指示で、
とりあえず遠くに行かないように、ウサ小屋に誘導するような簡単な囲いを作りました。
でも、うーちゃんがその気になればそんな囲いは意味のないような応急処置です。
うーちゃん、遠くには行かないでよぉぉぉ。

夜中にもう一度、そっと見にいきました。
でも、あたりは真っ暗で、うーちゃんの気配はありませんでした。

夜が明けて朝7時。行ってみました。
うーちゃんの飼い主である親方がいました。
親方「すんません、世話かけて」
私「います?」
親方「この倉庫の床下に入っとるみたいや」
それはうーちゃん陣地から5メートルほどの倉庫です。
大型トラックが積むコンテナを土の地面に置いてある倉庫で、
うーちゃんは穴を掘ってそこにもぐりこんだようです。真新しい掘り跡がありました。
ここにいるのが確実となれば、あとは人海戦術でバリアしながら捕獲できる可能性が大です。
あとは飼い主である親方に任せました。

昨日置いて帰ったうーちゃんゴハンを見たらニンジンをかじったあとがありました。
うーちゃん、ちゃんとゴハンのところには来たんだね。
資材置き場の横の畑の土には走り回ったあとのウサギ足跡が点々とついていました。
うーちゃん、こんなところで運動会したんだね。
ちょっと広い世界で遊んでみたかった?　野ウサギみたいに?
でも、広い世界にはこわいことがいっぱいあるよ。
おうちに帰ろうよ。

夕方、また見にいってみます。
うーちゃんがおうちに帰っていることを祈りながら。