獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200509-133

ぽーちゃんさん みわさんへ
投稿日 2005年9月21日(水)00時52分 投稿者 チーママ

ウサギさんを飼うときの注意事項の一つに
「決して大きな声で叱ってはいけない。」という事があると
私は思っています。これは動物全般に言えることだと思い
ますが、たたいたり、大声でダメ!っと言ったりは、動物を
すくませ、人に対して警戒心を抱かせるのではないかと。
かといって好き勝手にさせていては、これまた「僕がリーダー」
「私が一番」となって、咬んだりもします。
叱らずに済ませるには、ウサギがやって困ることの材料を作らない。
ウサギはかじるのがお仕事。
かじられて困るものは「片付ける」「隠す」が基本です。
我が家はコード類はすべて配線を変えて隠しました。
壁はすべて板を下の方に貼りました。
入って困るところには障害物。
これで安心して勝手にやってと、笑って見ていられます。

よくウサギやハムスターなどを飼った方から「トイレを覚えない」
という声が聞こえます。どちらも「トイレの躾」など出来る動物
ではありません。
ただ本来の習性を上手に利用すれば、人間の都合の良いように
決まったところでトイレをしてくれるだけのことです。
とはいっても本来の習性と言うものも、一定に決まっている訳
でもありません。当然個体差もある。
ですからすぐにトイレを覚える子もいれば、なかなか覚えてく
れない子もいる。トイレを覚えないからと叱るより、どこに
良くするのか観察して、その場所にトイレを置く。
しそうになったらトイレに連れて行き、出来たら大いにほめる。
このあたりは犬と変わりません。

それと同じに縄張り意識の強い固体もいれば、あんまりかまわ
ない個体もいる。
まぁ、問題になるのはたいてい、この縄張り意識の強い男の子
の気がします。オスウサギのプライドはいたく高いですしね。
ウサギにとって縄張りは生存競争に勝つためにも大切なもの。
そして私達が飼っているウサギは穴ウサギに属しますので、
ある程度の群れを作って生活します。
群れを作るということは、順位付けがあるということ。
これが問題。頭をなでることが出来るか。体を触らせてくれるか。
なでると頭を低くするか。これが出来ない時は、まだ人間と
きちんとした関係付けが出来ていない気がします。
よく雑誌などで抱かれているウサギ、お散歩するウサギをみます。
でもあれはウサギなら当たり前に出来ることではありません。
基本的に抱っこは嫌います。野性の本能で「捕まえられたら
おしまい!」というサインがあるのではないでしょうか。
また抱かれて視線が高くなることに恐怖も感じるようです。
ウチの子達は私に抱かれますが、これは私が上位者だから。
そしてオスのウサギなど固まってしまいます。
ツメに力が入っているので分かります。(笑)

そして何よりウサギはかなり頭が良い。自分を守る為の
学習能力は高い。ですから、叱られたり、たたかれたりすると、
確実に覚えて用心します。
咬むのは「こっちの方が強いんだぞ」とか「怖いからこないで」
とか、「ここは僕の縄張りだぞ」とか、そのあたりは犬猫と同じかと。
一番良い関係は「ウサギより飼い主の方が上位者」で「この人間は
大丈夫。安心していて良い」という両者の位置づけが出来ることです。

獣医さんではおとなしい。ショップではおとなしかった。
前者は怖くてすくんでいる事が多いのだと思います。
また具合が悪いとか。
(ウチの獣医さんがウサギを飼い始めたら、ちっともおとな
 しくないとぼやいていました。笑 そりゃ診察台のウサギ
 は怖くて固まっていますからね)
後者はショップではあまり人間との関係が出来ていないか、
ショップのスタッフはウサギの扱いになれているから
ウサギも安心しているか。ショップ内ではコードをかじって
困るとか、あちこちにトイレをして困るとかはないですからね。
当然叱られることもないでしょう。

ウサギは捕食される側の動物です。自分の身を守ることに
一生懸命になります。臆病で好奇心が強いです。
(好奇心が強いというのは、ちょっと変わったものがあって
 もすぐに気がついて、安全かどうか確かめる行動でもあり
 ますね。)
このあたりの本来の習性を理解していないと、ウサギと言う
動物との付き合いのスタートが切れません。
とはいえ私もまだまだウサギ初心者。彼らの行動がなんでも
分かるわけではありません。少なくともうちの子達だけは
分かりたいと日々思って見ています。
そして分かったのは、ウサギは感情豊かな個性の強い生き物。
自己主張が強く、しっかり順位付けが出来ないといけない動物。
予想以上に学習能力が高い動物だと言うことです。
鳴くことで意思表示が出来ない彼らは、その行動がすべてです。
意味なくすることはありません。
咬むにしても、引っかくにしても、なぜこういう行動をするのか。
必ず原因と意味があります。
それを考えないと、次のステップには進めません。

とはいえ、ぽーちゃんさんはこれからもお世話をしなくては
なりませんね。当面は手袋着用もしかたありませんね。
ゲージから出して掃除をすれば簡単ですが、入れるのが大変
でしょうし。
ゲージは上が開きませんか?開くなら、上からトイレや餌入れを
出し入れできて、多少楽だと思いますが。
そしてお世話をするときは必ず話しかけながら。
いきなり手を突っ込んだりしない。特に上からはより恐怖心を
あおりますから。
「お掃除するよ。あけるからね。さートイレを出すよ。いい子だね」
ウサギは攻撃しようか、相手がどう出るのだろうかと構えて見ている
はずです。咬もうとしたら手を引っ込めて「いい子だね。おとなしく
していてね」。落ち着いたら再挑戦。びくびくしてはいけません。
ウサギを怖がっていることは確実に伝わり、相手を助長させます。
そして咬まずにいた時は、優しい声でほめてあげる。

時間を割いて、静かにやさしく語りかけることも大事だと思います。
その為には普段ぽーちゃんさんがいるところにウサギさんがいると
良いのですが。そして何があっても声を荒立てない。
まずはウサギを落ち着かせること。これから始めなくてはいけない
気がします。
また場合によっては去勢の話も出るでしょう。
去勢をしたからといって、必ずしもおとなしくなるわけではありま
せんが、オスとしての行動が規制されるのは確かですので、多少
今までより縄張り意識が薄れるかもしれません。

こんなことしか言えなくてごめんなさい。
どうにも気の荒いウサギもいるでしょうが、ショップでおとなし
かったのなら、本来気の荒い子ではない気がします。
6ヶ月過ぎると自己主張もはっきりしてきますので、男の子の
ひと時のヤンチャであるかもしれません。ちょうど中学・高校生
位のいきがりたい世代ですね。
成長過程でも、ウサギは大変変化しますので、あきらめずに
もう少し頑張られたらどうかと思いますよ。

みわさん
どうです?今まで持っていたウサギのイメージとだいぶ違い
ませんか?犬猫より寿命は短いでしょうが、ウサギは犬の
性格と猫の性格を持っています(これは獣医さんの受け売り)。
犬のようになつきもしますし、愛情表現もします。
でも基本的には抱かれるのは嫌いですし、いじり回されるのも
嫌いです。猫のように気が向けば来てくれるって感じでしょうか。
学習能力はかなり高く、でもそれは自分がしたい事に限ってです(^^;;
閉めれば開ける、しまえば出す、隠せば見つける。
コードや壁紙や家具の角はかじるものですし、トイレ以外では
オシッコウンチをしないならラッキーです。
捕食される側の動物の常で、具合の悪いのを隠します。
幼少の頃の下痢は時として命取りです。
ですから定期的に獣医さんでの健康診断は欠かせません。
(我が家は2ヶ月に1度。歯のメンテがあるので1匹1500円です)
体が小さいので、具合が悪いときは待ったなしで獣医さんです。
ウサギの健康は食餌が第一ですので、餌代もかかります。
毛の変わり目は、毛が部屋中を舞います。コロコロローラーは
ウサ飼いの必需品です。
こう書くといいことがありませんね(^^;;
いい事は、感情豊かな彼らは、かなり面白いヤツラだということ。
行動を見ていて飽きません。毎日笑いを取ってくれます。
ウサダンスをする彼らはとても楽しそう。
鳴かないし、彼ら自身は匂いません。
臆病で神経質な彼らに愛されると、大変うれしいものです。
なでてと手の下に頭を入れてくる、鼻先でつつく。
背中に乗ってくる。ナメナメする。
ダメよと言えば、やめる・引き返す。
いたずらしているのを見つかるとすたこら逃げる。
(分かっているならするな!)
本当に見ていて飽きません。
のんびり寝ている姿は人の気持ちを和ませます。
大変だけれど、それに見合うだけのものを与えてくれます。
本当に大変だけれど、生き物を飼うと言うことはそういう事。
さて、みわさんはどうしますか(^^)

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