獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200510-62

ウサギの飼育は一筋縄ではいかない
投稿日 2005年10月25日(火)01時53分 投稿者 チーママ

同じ飼育方法で同じ反応が得られるなら、こんなに楽なことは
ありませんね。
ウサギさんはとても個性が豊か。そしてペットとして家族として
暮らす様になってからの歴史はあさいですね。
ですから何でも試行錯誤です。
犬のようにトレーニングの法則は出来ていない。
そして犬ほどの集団行動をする習性も、学習能力も知能もない。
このあたりが猫に似ている所以かと。
猫のサーカスがありますが、とても根気が必要で、猫の習性を
熟知して初めてできること。
芸をするウサギが出てくるほど、その習性が分かったら良いなと思います。
ウサギの共通の習性はまだまだ入り口って感じに思います。

もりさん
今の状態は、もりさんになれてはきたけれど、完全に安全と信頼
するまでには至らない。ってところでしょうか。
もりさんのウサギさんは、多少おくびょうさんで、あまったれさんの
様ですね。上手に付き合うと、きっととてもなつくと思いますよ。
なでて欲しいのだけれど、まだちょっともりさんの手が怖い。
つかまったりしたらどうしよう。危害を加えられないかしら?
って気持ちでしょう。
私ならなでられる時は30分でも、声をかけながらなでているでしょう。
なでるだけで終わらせているでしょう。抱くのは又です。
ひたすら良いこねぇ、良いうさぎさんねぇ、っていいながらなでます。
飼い主の手は気持ち良いと慣らすのです。
我が家は、今でこそお尻でも口先でもなでる事ができますし、必要なら
口の中に指を突っ込んで噛んでいるものを取り上げることも出来ますが、
ここまで来るのに私は2年かかっています。
保定に関しても、うちの子に限っては下手な獣医さんより確実に出来ます。
これも2年間、毎日いじりまわしての結果。
お互いに慣れるのには、それくらいかかっても良いとおもいますよ。
早く「なでてよー」って鼻でつついて要求するほどになってくれる
といいですね。
もっともこれも個性の問題。とてもシャイで臆病なウサギさんだと
そこまでしないかもしれません。
たとえば我が家のユキは「なでろー」とやってきます。
甘えて私をナメナメ攻撃します。なでると伸びたモチになります。
ほとんどの場合、呼べば来ますし(なでてくれると思っている)
「ユキいい子してあげる」と手を振ると必ずすっ飛んできます。
反してシジミ。呼んでもめったに来ません。とても臆病でシャイで
プライドがてんこもりに高い男の子です。
「イイコしてあげる」って手を振っても来ませんが、ユキが反応して
すっ飛んできてなでてもらっているのを見て、あわてて着たりします。
ユキと一緒に頭をくっつけてなでてもらうのは、とっても好きなのです。
なでてもらっても、決しておモチのようにべったり伸びません。
でもとても聞きわけが良くて、「そこはいっちゃダメでしょう」と声を
かけただけで、素直に出てきます。これがユキなら「しらんぷりよー」です。
抱かれて諦めが良いのはシジミ。かまって欲しい時、何か要求があるとき
足をホリホリするのはシジミ。失敗するとすぐにプライドが傷ついて
すねてしまうのもシジミ。ユキはすねるという事をしません。
たった2匹のウサギでも、これだけ個性が違います。
それぞれにあった付き合い方ってあると思うのですよ。
今まで2年と2ヶ月。毎日いじりまわして、毎日見続けての結果です。
もりさんも時間がたつほどに、ウサギさんと通じるものが出来ますよ。
どうかあせらずに、ウサギさんの言いたいことを考え考え過ごして
あげてくださいな。
通院用のキャリーの工夫を一つ。
我が家はサークルの中に通院に使うキャリーを入れています。
これはキャリーも自分のテリトリー(生活)の一部と馴らすため。
この子達が小さい時、待望のゲージが届いたのですが、それを見て
においをかいだだけでお腹を壊したんです。
なれない匂い、見慣れないものになんて敏感なのだろうと思いました。
きっととても怖かったんだろうと思いました。
ですからキャリーの中にいれば落ち着くように、生活の一部にしました。
なれないものの中に入るのは、ウサギにとっては生死の分かれ目的
恐怖なのかなって思いますよ。
捕まえられる、閉じ込められるという、自分の自由を奪われるという事は
自然界では死につながるものでしょうから。
ですから通院や災害時に、少なくともここは自分のおウチと思ってもらえる
ように、普段からお部屋においておくと良いですよ。
まだテリトリーや自我の確立していない子ウサギならば、比較的容易に
慣らすことが出来るでしょうが、大人になってからのウサギさんと
しっかりした信頼関係を築くのは、時間がかかると思った方が無難ですね。

上下関係
上下関係を作ることは大事ですが、何々が出来ないから下に見られる
とか、何々をすれば上下関係が出来る、というものではないと思います。
プライドの高いウサギさんだと、無理やり仰向けに抱かれるというのは、
大変傷つく行為です。それをわかってきちんと事後の心のケアができな
いと、反抗的になるのではないかと心配になります。
ウチの獣医さんは、ひょいっとウサギさんを仰向けに抱えますが、
「うっかりメスウサギの前でやると、男の沽券にかかわるのね。
 上下関係を崩す事もあるんだよね。だからメスの前ではやらない」
と気を使います。
仰向けに出来ないからといって、しつけが出来ないとは思いませんが、
仰向け抱っこが出来るにこしたことはありません。
ただ一番怖いのは、ウサギを相当扱いなれているか、ウサギという動物
を知っていないと、仰向け抱っこには危険が伴う事もあるという事。
ウサギは仰向けでひどく暴れてキックをしても骨折することがある事。
仰向けから体をひねって、あるいは無理に取り押さえようとして骨折
することもあるほど、骨はもろいという事を忘れずに。
皆さんも鶏を仰向けにしてなでていると催眠状態になって、じっとして
いることを知っている方も多いでしょう。
ウサギもあれと同じです。仰向けにして数分すると、お鼻ピクピクがなく
なり、軽い沈静状態にはいります。
でもどんな本を読んでも、テーブル(診察台)の上でというのは、見た
事はありません。獣医師向けの書物でも、ひざの上でするものです。
ともかく、きちんとした獣医さんの指導の下か、飼い主の手が
ウサギになれないうちは、ちょっと危ないことかと思っています。
仰向け抱っこがウサギのリラックスになるかどうかは…
今のところそのような文章やお話に出会ったことがないので、
その獣医さんの経験からのお話かもしれません。
実際はどうなのでしょうね。我が家のウサギにそこまでしての
リラックスが必要かしら?いつもリラックスの子達ですので。
ウサギの自由にさせてわがままにするというのと、部屋で自由に
遊ばせるというのは違うと思いますけど。
このあたりは、又明日にでも。
眠くて文章がちぐはぐになってきましたから(^^;;

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