獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200605-44

Re.うさぎの腫瘍 (うまくまとまりませんが)
投稿日 2006年5月7日(日)13時26分 投稿者 チーママ

うーままさん
おつらい選択ですね。でも、どの道がより安全かは、誰にも分からないのです。
我が家の先生がおっしゃいました。「ウサギは潔いんです」
この言葉が心から離れません。
「犬猫のようにもっと体が大きくて、体力があれば耐えられることも、ウサギや
 鳥は体が小さく体力がなさ過ぎる」ってつぶやいた私におっしゃったのです。
確かに、とても助かるまいと思った鳥が懸命の介護で助かったことも経験あります。
でも懸命な介護が、命を助けたんじゃないと思っています。
その子が「生きたい!」って思ったから、介護が功を奏しただけです。
「もういいよ」って思ったら、いくら高度医療をしてもダメなのです。
それが命の不思議であり、尊さだと思っています。
確かに一般的に、10歳のウサギさんの全身麻酔は難しいかもしれません。
でもウサギさんが体力があるなら、大丈夫かもしれません。
人間に置き換えれば、70だからといって体力がないでしょうか?
50歳でも体がぼろぼろの人もいますね。
年齢で切り分け出来るのもではないと思います。

で、私なら。
まずは腫瘍は悪性か良性か。転移があるのかないのか。
年齢にかかわらず、普通この手術をした場合の予後はどうなのか。
また手術をしなかった場合、余命はどのくらいか。
自咬(自分でかんでしまう)によって敗血症にでもなる危険性と、
手術のリスクのどちらが高いのか。
あとはうさぎさんの衰弱具合です。
もちろんセカンドオピニオンも求めます。
結果、どうするか。これはもう、飼い主さん次第でよいのです。
「手術が出来ないわけではないらしい。でも少しのリスクもイヤだ。
 腫瘍を噛んで感染症になるのは、抗生物質とテーピングや患部を
 清潔にするよう私ががんばるから、このままおうちで最後まで
 見ていこう」
でも、よいのです。途中で放り出さなければ。
腫瘍が悪性の場合は、ハムスターで経験がありますが、咬む以外にも
組織自体が自壊(崩れる)してくることもあります。
そうしたことなど、獣医さんとしっかり話し合って見てください。

余談ですが、ウサギをよく診る獣医さんでも、見立てや手術の術式が
違うことがあります。それはその獣医さんの経験と知識と方針による
差で、あって当たり前の事です。
ですから当然、麻酔のかけ方や使う薬の種類も多少違ってくるでしょう。
おそらく獣医さんが懸念するのは、麻酔だけであって、腫瘍切除自体の
術式はさほど難しいものではないと感じます。
ですから、もしウサギをよく診る獣医さんが他にあるようなら、ぜひ
セカンドオピニオンを求めてみてください。
両者とも「今の状態では、麻酔のリスクが高い」と言うなら、残る手は
一つになりますからね。
いずれにしても、どの道を選んだとしても、うーままさんとウサギさんの
生活が充実していれば良いことです。がんばるウサギさんを、自分で
出来る限りのお世話をしてあげられたなら、それで十分なのです。
ご自分の納得いく方法を選んでくださいね。
ウサギさんは、それで十分満足してくれると思いますよ。

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