獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200609-66

白内障は、
投稿日 2006年9月12日(火)19時17分 投稿者 プロキオン

いきなり、水晶体がすべて真っ白になるということはないですね。順次広がっていって
ということですから。最初の診断と言うものがあります。
これは、簡単なものであれば、検眼鏡と散瞳剤があればできます。

散瞳剤で、瞳孔を充分に開かせた後、検眼鏡でまっすぐに光を眼の中にいれてあげると
網膜のタペタム層という光を反射する層から、反射光が返ってきます。この反射光の光
の中で水晶体の位置で黒い影が確認できれば、まず白内障と診断できると思います。
白内障の位置というのは、検眼鏡のレンズのジオプターというか、深度を測る部位の調
節で水晶体にピントが合わせてあればよろしいでしょう。
また、スリットランプという機械があれば、水晶体の中でも前嚢とか後嚢とか、皮質で
あるとか水晶体の核であるとかの濁りの位置も特定できるはずです。
スリットランプは眼科をやっている先生でないと持っていないと思いますが、検眼鏡で
あれば、ほとんどの先生はもっていると思いますよ。

これで検査してあれば、まずは白内障と言ってよいと思います。

また、水晶体への栄養剤の類の点眼薬においては、人間の方の眼科学会でも効果について
はいまひとつの評価となっているはずです。
使用するのであれば、当然長期の点眼が前提のはずです。白内障の病態というものが、一
旦形成された白い濁りの部分というのが、消えてなくなるという性質のものでもないよ
うですから、そのことを忘れるわけにはいかないでしょう。
点眼薬は、使用してもよいと考えますが、それには角膜に傷がないかとか、結膜炎はな
いか、細菌感染を助長してしまわないか等を考慮してからという方がよろしいように思
います。

アメリカの先生で講演会をされているような先生でも、「ウサギは新聞を読まないから
心配ない」などとジョークを話されるようです。
日本の某ウサギで有名な先生は、「うちのウサギは、テレビを見ることを楽しみしてい
るので」と切り替えされたりしたそうですし、白内障の手術まで視野に入っていたりし
ます。
実際問題としては、「新聞を読まないから」でも不都合ではなく、生活環境の急変さえ
気をつけていれば、日常生活に支障はないことが多いようです。
考えてみれば、人家の一隅で暮らしているわけですから、猛烈なスピードでダッシュす
るような事さえなければ、そうそう問題となることはないはずですね。

獣医師にどのように申し出るか、卑屈になる必要はないのですが、あなとの言っている
ことでは不安だからでは、まずいでしょうね。
やはり、確認から始まる話ではないかと思います。水晶体が真っ白になってしまってか
らでは、もう薬の出る幕ではありませんから、白内障の始まりはどのような変化からな
のですかという辺りの話からかな?

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