獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-200707-28

Re:毛球症対策と、投薬の仕方についてお知恵をかして下さい。
投稿日 2007年7月15日(日)00時18分 投稿者 チーママ

ミミィさん 始めまして
ご心配ですね。ペレットしか食べないウサギさんは、沢山いますよ。
ミミィさんの扱いが悪いなんて、思わないでくださいね。

牧草を食べさせる方法は、コレといったものはありません。
「ペレットを減らして、どうしてもお腹がすけば食べるだろう」で成功した方もいるかもしれませんが、原則的には危険でもあります。もともと幼い時の食生活を守るのがウサギさんの習性ですから、それに用心深い性質などが重なると、餓死してしまいます。
ただ牧草にもかなりのメーカーと種類がありますので、片っ端から試していくと、あるものを突然食べるという事はあります。かなりの無駄が出ますが、あきらめないことも大事です。我が家も今の牧草に行き当たるまでは、なんと散財したことか(涙)
もっとも牧草を食べる割合はほんの少しですが、食べないよりましかと思っています。

野菜に関しても「食べ物」と認識していないものを、食べるようにするのも難しい。
ただ、野菜と言っても種類は豊富ですから、どれかは食べる可能性もあります。
野菜を食べてくれれば、水分補給にもなります。
今まで試したお野菜は何でしょうか?
今の季節は野草もあります。ススキやネコジャラシ・タンポポや、ケヤキや桜の葉などを試してみましたか?
案外野草のほうが、本来の食餌ですので、取り付きやすいことがあります。
野菜は野草に近い香りもの。シソ・パセリ・バジル・セリ・三つ葉・セロリ・ニンジン葉などは、比較的に取り付きやすい気がします。野菜は量を少し与えて、常に糞の調子を見ながら追加したり、増やしたりします。リンゴやバナナは食べないかな?
色々なものをあきらめずに試して、ほんの少しでも食物の幅を持たせたいですね。

抱っこできない、ペレット以外食べない子にお薬は、本当に難しいですね。
ジェル状のものというので、ペトロモルトなどの毛球予防のお薬かと思いますが、アレは好む子と好まない子がいますので、大変でしょう? ペレットに塗っておいても、単に食べないだけになるでしょうし…  投薬は我が家でも苦労します。
何か良い方法はないでしょうかね?>みなさん

もし我が家なら…通えるものなら、毎日獣医さんに連れて行って、投薬をお願いしてしまうかも。通ううちにやり方を覚えたり、実際にさせてもらって、飼い主もやり方を教えてもらう。
また、食べないことが続くなら、脱水予防に皮下補液(背中の皮膚の下に栄養剤など入れる:ウサギの皮膚と筋肉の間はかなりルーズなので、これが出来ます)もしてもらいます。特に夏場は怖いですから。
あとは案外保温。お腹が冷えるとますます動きが悪くなりますから。
そして、腰の辺りから下の背骨の両側をゆっくりマッサージ。消化器官のツボだそうです。

あまりお役に立つお話は出来ませんでしたが、一つだけ情報を。
「毛球症」というのは、病気名ではありません。
分かりやすく言えば、「セキ」という症状ではあっても病名ではないのと同じです。
セキの症状が出るには、いくつか原因が考えられますよね。
インフルエンザかもしれない、気管支炎や喘息、鼻炎かもしれない。
それと同じに、胃の中に毛球がある状態を「毛球症」というのです。
毛球は元気なウサギさんにもあります。ただ胃腸の動きが普通なら、毛球を気にすることはないのです。
何らかの原因(この季節なら暑くなったり寒くなったりの急激な温度変化が多い)で消化管の動きが悪くなり、毛球が胃の動きや胃の中の食物の通過を妨げるようになると、食欲不振を起こします。それを獣医さんは飼い主さんが分かりやすいように「毛球症」と説明します。
消化器官の活動停滞→毛球が出来る(元々あることもある)→食べなくなる→食物が停滞する→水分の低下→毛球が硬くなる→ますます消化管の動きが悪くなる→毛球が胃の出口をふさいだりする→食欲廃絶→危険信号
というわけです。この書き方でわかるかしら?
つまり、胃腸が動いてくれればいいのです。
昔は毛球症といえば「手術して毛球をとればいい」という事もありましたが、今では活動が停滞している消化管にメスを入れても、予後が大変なことが多いという事で、なるべく内科的治療がとられるようです。
そのために毛球予防のペーストや食欲促進剤を服用させるのですが、投薬が難しい子は先に述べた皮下補液も有効だと思っています。
ただし、獣医さんが「これ以上は手術しかない」と判断されたら、迷っている時間はないという事ですが。

どうか良くなりますように。心から祈っています。
よろしければ、経過をお知らせくださいね。

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