獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-201006-59

Re:大人のウサギとの付き合い方
投稿日 2010年6月18日(金)23時40分 投稿者 チーママ

読んでいて、思わずにっこりしてしまいました(^^;;
わかりますよー 幸幸さんのお気持ち。
まずは、幸幸さんの接し方は、間違ってはいない。いえ、とても良いとおもいますよ。

拝読する限り、そのウサギさんは「人の手に慣れていない」だけではないかと思います。
そのウサギさんは、ミックス(雑種。世に言うミニウサギ)ではありませんか?
元々ウサギは捕食される側の動物ですから、抱かれたり体を触られたりを嫌います。
つかまったら食べられちゃうのですから。
ミニウサギというのは、元々は肉や毛皮用に飼育されていたウサギを改良して家庭で飼い易いように小さくしたもの。大元のニュージーランドホワイトやジャパニーズホワイトといった大型のウサギより小さいからミニウサギ。
でも性格的には、まだまだ神経質なところを引いています。
そうした性質をより穏やかに愛玩用にしたのが、ネザーやロップイヤーといったペット用のウサギさんです。
ですからミニウサギよりもっと性格が穏やかで、抱っこされるシーンが多いのですね。
でも愛玩用の中にも、抱っこイヤー! そばに来ないでー!って子もいますけど。

今の幸幸さんのうさぎさんの行動は、その子にしてみれば目一杯の愛情表現をしています。幸幸さんを信頼しているのですね。
でなくては、隣でごろりと横になったりはしません。横になって寝るのは、ウサギとしてはとてもリラックスしているんですよ。
でもやっぱり手は怖いわぁ〜なのです。
今までその子がどんな生活をしてたのかが見えませんが、今まで抱っこされた事も、なでて褒められた事もないのじゃないかしら? 
だからウサギ本来の性質が強く残っている事が、考えられます。
なでられる気持ち良さを知らないだけ。

もう一つは、その子の持って生まれた性格。
我が家のこゆき2歳半は、幸幸さんのウサギさんよりひどいんですよ。
1ヶ月ちょっとから育てているのに、「こゆちゃーん」って声をかけただけで、ばびゅーんって逃げるんです(笑) 
そばを通る時だって、抜き足差し足、こちらの様子を伺いながら。
だって、抱っこされると思っているから。
(あ、我が家は家中ご自由のウサギ達です)
ええ、もう遠慮せず捕まえてなで繰り回してやりますとも! 
つかまっちゃえば「あーーあ かーさんにつかまっちゃった」って諦めますし、なでられるのが嫌いなわけじゃないですから。そのあたりは、育ての親ですから分かるんです。

実はウサギは大変賢くて(犬猫並と思ってくださっていいですよ)、個性豊かです。
おこりんぼ、あまえっこ、引っ込み思案、おくびょうさん、脳天気と色々です。
そして賢いだけに、長年かかって出来た性格は、数ヶ月くらいでは変わらないものです。
用心深い。これがウサギさんですから、変化は時間がかかります。
ウサギ飼育のコツは「根気」。これに尽きます。
それと「叱らない」。賢いだけに、一度やられたことは覚えています。
そして元々が臆病なだけに、犬猫のように「負の抑制」(しかって躾ける)は、マイナスに作用すると思っています。ダメなものはダメと言っても良いですが、ニコニコと「ダメよ」です。一番良いのは、その場から移動させる事。繰り返す事で、やっていけないことを覚えます。(もっともやりたけりゃ やる!のがウサギですが:笑)
そして一番すきなのが、褒められる事!

いま幸幸さんは、ウサギさんとどう付き合おうかと手探りでしょう?
うさぎさんも、同じなのですよ。
手探り同士ですから、まだまだしっくりするには時間がかかりますって。
幸いな事に、ウサギさんは幸幸さんが好きなようですから、まずは1年と思って付き合ってあげてくださいな。
今のやり方で、大丈夫ですよ。そのうち「オヤツちょうだい!」って、自分で手をかけてくるかもしれません。いっぱい甘やかしちゃって良いと思いますよ。

そして爪切りですが。
アレはウサギさんにとっては怖いんです。犬猫だって、手足の先をつかまれるのは嫌がります。
もちろん抱っこは出来なくてはいけませんが(本当に危ない時、抱っこで保護する事ができません)、最初はなかなか上手くいかないものです。
一番良いのは、獣医さんに抱き方を教えてもらうこと。
そしてついでに爪切りも教わると良いです。
もっとも私は爪切りをしません。
2ヶ月に一度健康診断に行っているもので
「ウサギさんが嫌がることは、獣医にさせればいいんです。」
という言葉に甘えて、獣医さんにしていただいています。
かーさんは、ひたすら「おいしいものをくれる いい人」です(^^;;

かかりつけの獣医さんは、いますか?
ウサギ飼育で皆さん困るのは、ウサギを診れる獣医さん探し。
他の動物と使える薬剤が違ったり、特有の病気があるものですから、犬猫のベテランだからといってウサギが診れるとは限らないのです。
いざという時にあわてずに済むように、ウサギを診れる獣医さんを捜しておいてくださいね。
そしてそこそこお年のメスうさぎさんですから、何かとハイリスクの時期に入っています。特に未避妊のうさぎさんの場合は。
お財布が許すなら、定期健診をお勧めします。
健康な時のうさぎさんの様子が分かっていると、何かあった時に普段とどう違うのか分かって、獣医さん的には助かるのです。
年に1・2回でもいいですよ。

今までと同じにして、沢山一緒にいて、沢山うさぎさんの仕草を見てください。
そのうちうさぎさんの言葉が、分かるようになります。
表情も分かるようになります。
耳や目の様子。体の緊張具合。手足の様子。
ウサギさんは、とってもおしゃべりで、いつでも話しかけていますよ。

いかがでしょう。少しは気が楽になりましたか?
幸幸さんは、ちゃんと幸幸さんのウサギさんに合った接し方をしていますよ。
必要なのは、半年単位の時間です。
あとは、抱っこの仕方かしらね?
この掲示板の5月21日に「抱っこする時に、嫌がるうさぎさん」という記事があります。
参考までに、ご覧になってくださいな。

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