獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-199910-8

放射線被曝について、
投稿日 1999年10月1日(金)15時37分 プロキオン

こちらの掲示板では放射線被曝の話題が出ているので
参考までに。
ただし、事態は安心してくださいというわけにはいか
ないのです。かなり深刻な事態だと私は受けとめてい
ます。

まず、マスコミが使用している自然放射線量ですが、
1.6mSVという数値が使用されていますが、空気中のも
のだけで宇宙線や大地からのものが入っていません。
これらを入れると人間は何もしていない状態でも1年
に2.4mSVの放射線を浴びているのです。
(通常の胸部のX線撮影で0.05〜0.1mSVの線量です。)

このことは自然放射線の量を過小評価しています。事
故による被爆量を大きく伝えるのは、むいていますが、
今回の事故はそのような操作は必要ない程大きなもの
と思います。

被爆された方達は新聞では8SVと報道されていますが、
この数値は大変に大きな値です。
この半分の値がLD50と言われる値に相当し、30
日以内に被爆者の50%が死亡するとされています。

被爆吸収線量は本来はGy(グレイ)単位で表されま
すが、人体組織における吸収線量と線質計数との積が
「線量当量」で、こちらが大事です。単位はSV(シ
ーベルト)です。

これだけの被爆は文字どおり「臨界」状態以外に考え
がたく、原子炉以外で起きるとは想像できませんでし
た。
1kgのウラン235が完全に分裂すると6700kcalの石
炭3000t のエネルギーに匹敵するそうです。
今回の事故ではエネルギーの放出は急激には行われて
いないと考えられますが、放射性同位元素や中性子線
の拡散は避けられないでしょうね。

半減期の短いものは大気中を 長いものは海底を探せ
と教えられました。農産物の安全宣言を早めに出した
いようですが、どのような種類の放射性核種がどのく
らいの量飛散したのかが判明しないうちには、安全宣
言を出されても信用しない方が良いと思います。

動力炉燃料公団の爆発事故の際が1時間当たり1.2mSV
「ふげん」の放射線漏れの際が、1〜2時間で0.01mSV
と記録されています。

周辺住民の方でも被爆している可能性がある人がいる
ようですから、かなり憂慮される事態だと考えられま
す。線量計やサーベイメーターを持たない一般住民に
はどこで放射性核種に汚染されるか判断しようがない
のですから、本当に怖いはなしです。

肝心の放射線障害の症状です。(日本獣医師会のテキ
ストからです)
 0.2 SV ほとんど臨床症状は見られない
 0.5   血液変化〜白血球の減少
 1    強い放射線症〜吐き気・嘔吐・全身の倦怠  
 2    長期の白血球減少
 2.5   死亡  10%
 4    死亡 30日間 50%
 6    死亡 14日間 90%
 7    死亡     100%

被爆後1〜2時間以内に嘔吐や下痢などの強い急性
症状が発言したのなら、4SV以上の被爆を考慮し
た方が良いと考えられます。

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