獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200002-99

「ミミズク」追加
投稿日 2000年2月27日(日)21時16分 はたの

濱田さま

その後どうなりましたか。元気でいるとよいのですが。オオコノハかコノハかの区別点はプロキオン様ご指摘の目の色の他、足指に毛が生えているかどうかでも可能です。毛があればオオコノハです。ただ、もしもハトより大きいぐらいなら、トラフズクの可能性もなくはありません。

プロキオンさま

現物を見ないで議論しても仕方ない気はしますが、将来のために。

この時期の埼玉にコノハズクって残っているのでしょうか。

1次救急の段階で、オオコノハとコノハの食性を気にする必要があるでしょうか。
私見ですが、猛禽類ではたとえ昆虫食の種であっても、高蛋白・高ミオグロビン・低脂肪、かつ、不消化分が少なく表皮がない(ピンクマウスなら皮剥きまたは傷をつける)の餌を少量、というのが基本となると考えています。
コオロギは脂肪が多く、消化が辛い、また、かなりのエネルギーを使うペリットが形成される、という欠点があるのではないかと思います。
生きたまま与えれば餌付きは良いわけですが、狭い箱の中で捕食しようとして羽が傷む、コオロギが逃げる、過食する、食べた量がわからなくなる、等のリスクが案じられます。
コオロギを与えられるのは、消化が活発で食滞リスクが低く、過度の興奮がない個体に限り、かつ、後肢を折ったコオロギを縁が切り立った、表面が滑らかな容器に入れて、などという制限がつくでしょう。つまり、ある程度状態が上向き、適切なケージに入れられてその環境にすこしは慣れてから、でははないでしょうか。そもそも、爬虫類ショップを捜して買いに行くのには、肉屋やスーパーで鳥レバーを買うより時間がかかりますしね。
保定が困難でない大きさの猛禽類に限れば、緊急時の強制給餌にはあまり大きなリスクは感じられません。語飲も少ないですし。フクロウ類ならなおさら、嘴周囲の触毛に餌を触れさせれば保定されていても自発的に飲み込むことが多いと思われます。
生餌でも死に餌でも、置き餌にすると、食べたかどうか気にしてしばしば覗けばストレスを与え、放置すると、小型種では保たない、ことが案じられます。「予想外に早く食いつくもの」なのには賛成しますが、衰弱しきっていたり、神経質な場合も考えられ、確実ではないでしょう。
また、少量を強制給餌して消化管を刺激し、代謝を高めてやるほうが、餌付く確率が高いことも知られています。となると、生餌を置いて待つよりも強制給餌してしまうほうが、確率としては救命率は高くなると考えています。
むろん、ハンドリングの影響も大きいわけですが、それは、食べたかどうかの観察のうまいへたも同様ですし。

こちらのリンクで埼玉県のウェブに行き、傷病鳥獣で検索しましたが、拠点としての保護センターはないようですね。

「専門家にまかせたほうが無難」なのは全面的に賛成です。
問題は「専門家」が多くないということですね。

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