獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200205-6

reカラス
投稿日 2002年5月4日(土)09時39分 はたの

獣医師ではありません(し、プロパー研究者でもありません)がご参考まで。

 保護個体の短期飼育は基本的に放鳥目的で行なわれますので、むうさんがお望みのような訓練をするわけにはいきませんし、充分な期間も取れないでしょう。
 どうしてもカラスでなくてはならないのなら、正面から学術目的で捕獲申請を出されるか、有害鳥獣駆除(巣の撤去)で捕獲される個体を殺処分前に払い下げしてもらう申請をなさってはいかがでしょうか。
 
 ただ、時期的に間に合うかどうか・・・はありますが。

 また、カラスは長生きですし、飼育にスペースも必要です。ご卒業後は誰かどこで飼うのか、決っていますか? 実験に使うのなら1羽や2羽とはいかないでしょうし。
 大学で飼うのでしたら指導教官ご自身がもっとご熱心で、申請のことなど調べておられそうなものですが・・・。またむうさんが飼われるのには、就職等で生活が大きく変わり得る時にかなり大変だと思いますが・・・。集合住宅でカラスを数羽以上飼う、というのはなかなかに困難でしょう。

 他の鳥ではなく、カラスでなくてはならない特別の理由があるのでしょうか? また、カラスの生得的な音声でもなく、自然界にある音を中立に、でもなく、ヒトというspeciesの中の一集団がたまさか使っている「日本語の五十音字」について調べられるというのもややナゾなのですが・・・。

 先行研究はどのぐらいお調べでしょうか。
 カラスというとK大の認知系で使われていますよね。飼育室の様子も含めてTV放映されていますが、あれだけのスペースと手間は確保できるのでしょうか。
 あるいは生成文法だと、C大の認知系でジュウシマツとキンカチョウが使われていますし、音も一部含んだ見本合わせならN大の行動分析系でセキセイインコが使われています。
 カラスだと、雛が得られる時期が限られ、年一回しかないわけで、研究のための訓練の前提となる馴致もその時期に限られますし、飼育に失敗したら翌年まで代替個体は入手できません。と、研究前の予備訓練(ある音を認識しているのかの検証には、予め別の刺激での訓練が要るでしょう)などに年単位の時間を見込む必要がありそうです。
 それよりは、法的な手続も要らず、仮に研究室に行き場がなくなってもむうさん個人で終生飼育が可能で、狙って繁殖させることが可能で、飼育技術も難しくない、「飼い鳥」の中から使う鳥を選ぶほうがよいようにも思えるのですが・・・。

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