地面に激突死するという話は聞きませんが、
野鳥がガラスに気付かないで激突する話は多いですね。
高層ビルのガラスにはよくステッカーなどが貼ってありますが
鳥に対する気遣いでもあります。

ヒヨドリは今では一年を通して都市部で見ることができますが、
昔は秋になると山から里にやってきて冬を過ごす鳥でした。
（俳句の世界では秋の季語になっていたほどです）

なぜヒヨドリが一年中見られるようになったのかは
いくつか説があるようですが、カラスやスズメのように
人間社会の近くにいた方が餌を豊富に採取できるから、
と考えられているようです。
もともと繁殖期には昆虫食、その他の時期には花や果実など
色々な物を餌にできる鳥なので、パンくずやお菓子などにも
すぐに対応してしまいました。近年では温暖化と共に柑橘系の
樹木が割合どこででも見られるようになったので、
それも一つの原因らしいです。

つまり、どうやら人間の社会活動に密接することで、都市鳥として
カラス、ドバト、スズメらに次ぐ位置を獲得した鳥ではないかと。
１９８０年代にはスズメを襲うヒヨドリが観察されたり、
小型爬虫類のヤモリを餌にしていたりと、なかなかワイルドな一面を持ちます。

『大都会を生きる野鳥たち』川内博（地人書館）では、
都市鳥のさきがけとしてのヒヨドリの紹介があります。
もし、ご興味がありましたらご一読ください。