獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200509-41

reばるばるさん
投稿日 2005年8月13日(土)14時13分 投稿者 はたの

直接の診察は困難でも、せめて投薬指導をしてくれる獣医師をがんばって見つけてください。

 タ“リ”ビッ“ド”がニューキノロン系です。こちらの掲示板では、薬は商品名でなく成分名で書くことが望ましいとされていますので書き換えただけでして。

 抗生物質に限りませんが、薬というのはただ適当にやればよいわけではありません。抗生物質ならば、足りなければ効かない上に耐性菌を作り出すことになり、その個体をのちに治療する場合にも困りますし、環境に耐性菌をバラ撒くことにもなりかねません。むろん多ければ副作用が出ます。腎毒性などがないか少ない比較的安全な抗生物質であっても、腸内細菌叢への影響はあるのですし。

 適切な量は、簡単に決められるものではありません。対象動物の生理もあり、対象の菌と薬の相性もありますし、薬の種類によって、24時間ずっと必要な血中濃度を保つべきなのか、一日に何回か必要な濃度を超えればいいものなのか、その必要回数は1回なのか2回なのかもっとなのか、特定の組織/器官に対する運ばれやすさはどうなのか・・・などなど、複雑なのです。
 期間にしても同様で、単に3週間やればいい、ではありません。そう書いたつもりもありません。
 抗生物質や尿素、グリセリンが単味で入手できるお立場でしたら、このあたりについても教えてもらえるのではないかと思いますが・・・
 むろん、獣医師にしても、すべての場合に上記のような順序で各項目を検討されるわけではおそらくなく、まあそのために専門書があるわけです。鳥の種類と症状がわかれば、この薬をこのぐらいやるのがよろしいようだ、という経験を集めてまとめた投薬ガイドが巻末にあるような。
 いささか高額ですし、使いこなすのは大変ですけれど、獣医師がいない島で今後も長く本格的に鳥を飼われるおつもりなら挑戦してみてもいいかもしれません。
 たとえば、

・新版 原色ニワトリの病気 農林水産省家畜衛生試験場 (産業動物としてのニワトリ、の本で個体の治療にはあまり・・・かもしれません)
・バード・クリニック・プラクティス - 鳥の治療と看護 インターズー
・エイビアン・メディスン - 鳥類臨床のすべて インターズー
・Avian Medicine: Principles and Application Wingers Publishing Inc.
 など。

 何もわざわざ尿素とグリセリンを自家配合せずとも、膝やかかとを柔らかくするための美容用の市販のクリームや軟膏で十分だと思います。
 また、食べていれば安心、とは限りませんのでご注意を。

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