獣医師広報板ニュース

鳥類掲示板過去発言No.1700-200511-25

鳥というものは、
投稿日 2005年10月7日(金)12時06分 投稿者 プロキオン

鳥類の雛は、巣立ちの前にくらいになると親鳥よりも大きく重くなるも
のです。
ある日、親鳥はそれまで与えていた餌を給餌しなくなり、しきりに巣の
外へ雛(若鳥)を呼び寄せようとするようになります。
雛はお腹が空いているので、親に餌をねだり、親の見せる餌に近付くた
めに移動しようとして、羽ばたくことを覚えます。この時の空腹・飢餓
が高さに対する恐怖を打ち消すわけですし、それまで親鳥よありも大き
くなっていた体に貯えられていた栄養で飛ぶことができるまでの期間を
乗り越えもします。そこまで体を絞り来んで初めて飛ぶことにふさわし
い体になるわけです。

つまり、飛翔するために相応しい体を手に入れ損ねたということなので
はないかと思います。
飛翔するためには弱すぎる翼の筋力と重量超過の体重です。だから、ド
スンと落ちるような形になってしまっているのではないかと想像してい
ます。

人間が与える餌というのは、どうしてもカロリーが高すぎる傾向になり
がちなのです。
本当に小さい時期であれば、落鳥率を抑えてくれる一定の効果というの
は期待できるのですが、ずっと高カロリーのままでよいということには
なりません。
高カロリーで肥満状態というのも、栄養失調の1つの形態なのです。栄
養が足りないのか、それではと、せっせせっせと肥満にしてはならない
のです。
犬でも猫でも、生後半年近くになってもレントゲンで撮影してみると、
足の骨の末端が黒く隙間があるように写っていて、まだ1本の骨になっ
ていなのかのごとく見えます。肉眼的にすでに1本の骨なのですが、そ
の部位はまだ軟骨であって骨化が進んでいないということなのです。
分娩されたから、巣箱から出て来たから、一人前の体というのではなく
犬でも猫でも、鳥においても、生長して体が完成されていく過程が存在
することになります。

鳥類では、足と翼では、足の発達の方が早いのですが、それでも落下す
る時の衝撃を支えることができないということなのでしょう。

ですから、安静にしてと言われても、身動きできない状態で、体重をた
だ増加させてしまうということではないのです。
必要なことはやらなくてはならないし、まず、なにより鳥としての認識
をもってもらった方がよいように思います。
ドスンと落ち続けていれば、足だけでなく、胸にも傷ができるようにな
りますし、気嚢破裂の原因にもなります。
# 気嚢破裂については、少し前にやりとりがあります。気嚢が破裂し
  ても何故風船のように割れないのかは、別に理由がありますが。

高所からの繰り返しの落下は、避けるようにしなくてはなりません。
体重を測定するのであれば、小さな容器にいれて、容器毎測定するだけ
のことです。
人間の目線ではなく、飛べない鳥の目線を持つ事が大切ですね。

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