獣医師広報板ニュース

爬虫類・両棲類・カメ掲示板過去発言No.2000-200104-48

一つの問題提起として。
投稿日 2001年4月17日(火)21時55分 とこまだしよ

またまたみなさんが盛り上がっているところで文句ばかりつけてすみません。
爬虫類には犬や猫とは比較にならないほどの病原体を持っている可能性があ
ります。
人畜共通伝染病、そう言うと何だか堅苦しく聞こえますが、つまり爬虫類か
ら移る可能性のある病気です。
皆さんも良くご存知だと思われるものにサルモネラ症があります。
その他細菌性のものは、カンピロバクター、エロモナス、シトロバクター、
エンテロバクター・・・etc.。
その他真菌、ウイルス、原虫、消化管内寄生虫。またこれは直接という事
ではなく人にたいしてウイルスや細菌を運ぶベクターとしてのダニ。
一つの例として、これはDr.MADERの著書からの引用ですが、
1963年にアメリカでカメからのサルモネラ症の感染がはじめて報告さ
れました。この最初のケースでは、7ヶ月の幼児がサルモネラ症を発症し、
3才の兄弟からもサルモネラが分離されましたが、その家のいぬをはじめ、
他の家族からは全く分離されませんでした。
これが意味するものは、健康な方はあまり問題にはなりませんが、弱者、
つまり免疫力が落ちているひと、乳幼児、子供がまず影響を受ける可能性
が高いということです。
まだ日本では爬虫類に関するズーノーシスの歴史が浅いので、そのへんの
病気の発見が遅れる可能性も高く注意が必要でしょう。
これはメディアも悪いのではないかと思いますが、爬虫類と一緒に親密に
生活しているすがたをほほえましくとらえて放送している。これは全ての
人にとって好ましいことではないと思っています。
私は爬虫類の勉強をはじめるに当って、来日講演くださったDr.Frye
やDr.Boyerからまずこのことから習ったのでそれが結構頭から
離れません。
今までもいろいろな方がおられて、このようなことをふまえて全て自己
責任においての爬虫類との付き合い方にわざわざ反論することはしませ
んでしたが、安易に人にそれを勧めることはどうかと思いこんな堅苦し
いことをあえて言い出しました。
大きなおせわかもしれませんが・・・。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。