海底にあったガメラの墓場というのは、平成３部作の中のシーンです。あのシリーズのガメラというのは、太古の人類がギャオスの脅威から、人類の守護神として作り出した生物という設定でした。
ギャオス自身も人類が遺伝子操作で作り出したもので、染色体が２本で完結しているという完全生物でした。このためにかってに繁殖してしまって、コントロールがきかなくなり、対抗する生物としてガメラを作り出そうとしたが、なかなかうまくいかず、廃棄されたガメラの亡骸が海底に墓場となっていたという筋立てです。
ようやく生まれたガメラが生まれたが、時すでに遅しで、太古の人類はそのガメラを封印して、滅亡の後の新たな世界の人類の為に「時のゆりかご」にのせてガメラを海に流しました。ギャオスの方は餌となる人類が滅亡してしまったので、自らも活動をやめて眠りに入った。そして、第１話の冒頭に至るというわけです。

この平成の３部作の世界観の中では、ガメラはガメラであって、亀ではない。むしろ、亀という生物が存在していない世界ということなのだと監督さんだったかプロデューサーさんだったかがマスコミにむかって話しておられました。

３作目に登場した「イリス」は、ギャオスから生まれた新種なのですが、その飛行シーンは美しかったです。最後の決戦の場面でガメラが「バーニングフィスト」という火で燃え上がった腕をイリスに叩き込むシーンがありますが、その場面こそが、カミツキガメの頭骨を目にしていれば、「噛みつき」に変っていたのではないかと思った次第です。

この平成の３部作は、私はなかなか気に入っています。ただ、亀が存在していない世界でのお話ということですと、今、私達が住んでいるこの世界とは別の次元の世界のお話なのでしょう。
昭和のガメラは、ギャオスに噛み付いて足の一部を食いちぎるというシーンがありましたが、平成でも噛みつきシーンを見てみたかったです。