私の母は今年で８１歳です　今は体のあちこち悪くて足も不自由で　認知症もあるし　現在実家の近くで入院していて　介護が大変ですが　そんな母でも　自分の小さい頃のことを昨日のように思い出すみたいです　母のおじいちゃんや父は　戦前昭和初期の兵庫県北部の豪商だったそうですが　播但線を但馬竹田まで線路を引いた人でした　ガソリンスタンドや米穀店を経営していて　満州へ小豆の買い付けに行った帰りに　朝鮮で大量に米を買って帰ってそれを竹田の町で販売していました　その時に今で言う「ロバのパン屋」みたいなルートセールスをしていたのですが　特徴的なことがあります１つは実際に朝鮮産のロバに米を載せ丁稚さんが引いてあちこち売り歩いていました　その当時は米の路上販売は無かったのでロバに子供が群がりまた　安い朝鮮米に人々がたくさん買っていただいたそうです　それから２つ目は　その当時は普通のお米を小作が作っていても庄屋にほとんどもっていかれていたので　なかなか食べられなかったそうです　それに貧富の差ひどい時代であったり　被差別部落の人に米を売るのは危険思想だといわれていた時代のことです　それをおじいちゃんや母の父達は日本が太平洋戦争がおきるまで続けていたようです　母は幼いときに　そのロバに乗って遊んだ楽しい日々を忘れなかったそうです　戦後おじいちゃんや母の父が亡くなった後　米穀店も無くなり　母も嫁いで　ロバのお米屋さんは伝説となりました　それでも母は　その当時の　おじいちゃんや母の父が目指していた「誰もが希望を持てる商い」が社会を変えると今でも確信しているそうです
どこかでロバが乗れるなら田舎の母にもういとど乗せてあげたいと思います