獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200002-34

野生動物保護管
投稿日 1999年12月5日(日)11時57分 プロキオン

12月2日のゆきさんへ

ゆきさん、野生動物に興味を持たれているのですか。そういう方が
1人でも増えてくれることはうれしいことです。

でも、わが国には野生動物保護管という仕事はありませんよ。国立
公園のレンジャーがそれにあたると思いますが、想像とはかなり異
なって、事務のお仕事の量がかなりありますよ。

実際のところ、ある動物を保護しようとしても それにまつわる権
利や利害を調整するには現行の法律ではかなり制約があるし、事務
手続きにも膨大な時間がかかります。動物相手の時間1割、人間相
手の時間9割の地味な仕事と言えます。
どの職業についても言えることですが、マスコミをとうして私達が
目にすることができるのは、その職業の華やかな面だけです。
辛いこと苦しいこと それら全てを含めて好きと言える覚悟が必要
です。

動物保護の理念理想、そして手法というものは「教えて貰うもの」
ではなく、「自ら、学ぶもの」と私は考えています。
ですから、国内の大学にカリキュラムがないから留学というよりも
その大学のこれを学びたいので、留学するというハッキリとした意
図があったほうが良いと思います。

私の知人の身内に日本猿の研究者がいるのですが、大学に申請して
認められる研究費は、年間3〜5万円くらいだそうです。彼が1年
間に得ている収入はそれが全てです。あとは親からの援助や奥さん
のパート収入で生活しています。
つまり、研究者としての彼はりっぱな仕事をしていますが、世間の
目から見ると自分の奥さんや子供の面倒もみることができない生活
破綻者にすぎません。
国立公園の管理人というのも、彼から言わせると、日本猿をどこま
で減らしても良いかという仕事であって 収入が確保できても納得
のいく仕事ではないのだそうです。

どちらの立場に立っても、それぞれのジレンマはあるものですし、
また、どちらも間違ってはいません。
こんなはずではなかったという後悔をしないように、しっかりとし
た目的をもって勉強して下さい。 

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