獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200108-46

レス、いろいろ
投稿日 2001年8月29日(水)16時08分 プロキオン

本当になんか突然にぎやかになりましたね!

なんか みなさん、あちこちにカラスの知り合いがいるようですね。カラスの
飼い主という表現は、ちょっといただけないですね。せめてお世話係りにとど
めておいて貰いたいですね。
我が家で、「飼い主」と名乗れば、隣近所から「とんでもない、私こそが」と
いうクレームが殺到しそうです。野生の鳥獣とのつきあい方は、おのずから節
度が必要と考えていますので、「みんなのカラス」という線で、誰のものでも
ないことを認識して貰えたらと思います。

「ハクビシン(白鼻心)」も、日本固有種なのか帰化動物なのか議論がつきな
い動物ですが、飼育されている個体の多くはペットショップで販売されている
ものと推測されますが、中には野生個体を飼育してしまっている例もあるかも
しれません。
こういう個体がまじりあえば、遺伝的な貴重性は失われていくと考えられます。
まぎらわしい行為は望むところではないので、ちょっと憂慮しています。

「ニホンカモシカ」、こちらについては疾病とすれば「パピローマ」と「伝染
性膿胞性皮炎」が疑われますが、書き込み内容からは、おそらく後者である可
能性があります。
この疾病はもう十数年前から、カモシカの間で流行していて、鼻端や口唇のビ
ランや潰瘍を伴い、口の中にも同様の症状が見られます。このため、採食困難
となって衰弱死するものです。日本獣医畜産大学のホームページの中で画像や
病理組織写真を公開していました。
カモシカの研究をしている方達の間では有名な疾病なので、知見は得られやす
いかもしれません。
保護した後に強制給餌が必要になるのですが、カモシカはなかなか食べてくれ
ません。私の県でも迷子で保護されたカモシカがときおり持ち込まれるのです
が、鳥獣センターでも、酪農試験場でも、餌を食べてくれなくて手を焼きます。
多くの個体が餌を拒否したまま衰弱死していきます。
善意の誘拐がいけないとされる所以です。

なお、動物園ではカモシカの仲間も含めて、他の動物への感染の危険からお断
りされるケースが多いようです。
1頭を救うために他の何頭もの動物を危険に曝すわけにもいきませんから、こ
れも当然の話です。むろん、意地悪や不親切というわけではありません。


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