獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200202-70

鳩でもう1題
投稿日 2002年2月26日(火)16時26分 プロキオン

先週のことになりますが、拾われた鳩が持ち込まれました。拾った鳩でも連れ
てきた方に診療代金をお願いすることになりますが、と切り出すと不思議そう
な顔をされました。この方の場合は、「そんなのあたりまえじゃん!」という
意味での不思議そうな顔でした。

件の鳩は、両眼が開閉できない状態で、結膜に痂皮が形成されていました。早
い話が目蓋をあける事もしめることもできない状態で、目をとじたままウロウ
ロしていたようです。
鼻孔や口腔にも汚れがありましたので、小鳥でいえば「鼻眼結膜炎」の範疇に
はいるわけなのですが、鶏であればコリーザやCRD、ニューカッスル病とい
うようにあるひとつの疾病の中の1つの症状ということになります。
なぜ、小鳥では症状名が病名としてまかり通っているのか奇異に感じたのです。

というのも、ある方のコザクラインコが結膜炎を呈していたのですが、鼻炎の
徴候は見られなかったのです。
病名であれば、鼻炎はなくても「鼻眼結膜炎」で良い事になるし、症状名であ
れば、「結膜炎」でなくてはなりません。
「そのうちに鼻炎も出てくるんじゃ無い」というのが、大方の意見かもしれま
せんが、病気の原因や本態にせまるものではありません。

先日、テレビでお馴染みの柴内裕子先生のお話を聞く機会があったのですが、
「動物介在教育」で、鳩は対象外であると述べておられました。これは、鳩か
ら人間へ感染する危険のある疾病が存在するためです。学校飼育動物に何も考
慮することなく、鳩を飼育している学校があるとも指摘されておられました。
その一方で、公務員の友人からの話では北関東において学校や幼稚園の鶏にニ
ューカッスル病の流行があるとも聞きました。
香港ではトリインフルエンザで30万羽の鶏が処分されています。

処分しか対策がない疾病があり、ワクチンがあるのにも関わらずそれすら利用
されていない鳥達がいて、正式な病名さえ確立されていない鳥達がいて。

問題の鳩は、情況から推測するに目が開かない状態でも鳩小屋の中では餌や水
は摂取できていたようです。爪が変形しているのもかかわらず、胸筋肉は消耗
していませんでした。足環のナンバーから協会に問い合わせたところ、隣の県
の鳩のようです。
迷子鳩として飼育されていた個体が小屋から撥ねられたということかもしれま
せん。失明しているわけではないので、また飛翔は可能なのですが、単に治療
する意志がなかったのか? それとも伝染病の1つとみなされてしまったのか
? 屋外の鳥たちに何かおきているのでなければ良いのですが…。

注:AAAやAAT等の活動に参加する犬や猫には、かなり厳密な健康基準が
  設けられています。
  これは、参加する動物を介して人間に疾病や病原体を移してはいけないか
  らです。例えば、フェレットは人間のインフルエンザに感受性があるので
  本人が健康そうにみえてもお年寄りや子供達にインフルエンザを媒介して
  しまう可能性があるのです。
  一見健康に見える犬猫であっても、病原体を人間に感染させてしまうこと
  はあるのです。有意義な目的を持った社会活動である以上は、獣医師が積
  極的にかかわって、そのようなトラブルは未然に防ぎましょうという意味
  なのです。
  したがって、鳩もフェレットもAAA、AAT、AAE等の活動の対象か
  らは除外されるということになります。


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