獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200203-64

春の便り
投稿日 2002年3月22日(金)16時39分 プロキオン

私のところでも少し雨が舞っていますが、今から本格的に降るんだろうか?

キレンジャクの話は、特段報道規制というのではないと思いますよ。本当に決
め手がなかったのではないかな?
というのは、多くの場合検体は死後の時間が経過しており、検査材料として不
適な事が多いからです。家畜家禽の場合であれば、死んだ個体ではなく、瀕死
期のものを検体とします。
野生鳥獣であれば、このようなことはできませんから、普通は検査するまでも
なく焼却炉行きになりがちなのです。諸般の事情から検査する場合も細菌担当
は死後増殖した細菌が優位であり、原因菌の分離はできなかったというでしょ
うし、病理担当は死後の細胞融解が進行しており不適というでしょう。ウイル
ス担当は、それでも抗生物質を添加して盲継代を3代くらいは実施しなくては
なりませんので、気の毒といえます。
それだけ、確定的なことは分かりにくいということになります。

で、問題の生化学担当は胃や腸内容物を水性抽出と有機溶媒抽出にかけて、そ
れぞれをマウスに投与します。次の段階として薄層クロマトグラフやガスクロ
マトグラフや液体クロマトグラフにかけたりします。
ただ、やはり担当者の熱意もさることながら、どこまでやるかというのは常に
問題になります。1つの事例で予算を使いすぎてもいけないからです。

農薬の検出を例にとれば、検査カラムの充填剤も1種類では証明になりません
し、標準物質も入手しなくてはなりません。検出感度の高い機械であればある
程、ベースラインが安定していなくてはなりませんので、ある特定の検査のた
めの専用機になってしまいます。
本来使用目的が他にあって、そちらにセッティングされているのであれば、緊
急のセッティング変更は避けたいところが本音といえます。
家畜保健衛生所のレベルであれば、各種の農薬の標準物質も揃えていたという
こともないでしょうし、充填剤もそれほど何種類もあったとも考えられません。

私達の県であれば、家保ではこのような検査は実施しません。衛生公害研究所
へ検査材料を持ち込んでしまう方が早いのです。(受けてくれるかどうかの問
題がありますが)

恐らく、薄層クロマトか金属イオンとの反応で何らかの結果が出ており、ある
いはガスクロあたりまで、それが農薬を疑わせるものであったということでは
ないでしょうか。
その後の特定のための検査がどこまで実施されているかと、死亡個体の広がり
と疫学的なつながりが不明である点から、すべてを説明するのにたりるだけの
根拠にならなかったということなのではないかと推測しています。
事実としては農薬の検出という話はあったのではないかとおもいます。


GOさんの言われる桃の花も今年は早いかもしれませんね。
以前、このBBSに国道ぞいのドライブインがあり、その裏の桃畑に養蜂の蜂
が置かれている。その蜜蜂を目当てに熊が出るという話を書きました。
その際にこのところ毎日柿が届くという話をいしょに書いたので、桃畑の熊さ
んが柿を届けに来るというメルヘンチックなお話になってしまいました。
一昨日、菜の花の蕾がが届けられ、さっそくこれを食べようということになた
のですが、春の話題に相応しいので、こちらに書き込もうと考えました。
桃畑の熊さんの話を覚えている人が読んだら、冬眠あけの熊さんが菜の花を摘
んできたことになりはしないかと?
「えー、この菜の花は、お隣さんが(人間が)持って来て下さったものです。」


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