獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200205-15

野生とのつきあい方
投稿日 2002年4月22日(月)20時21分 プロキオン

4月21日のヒロさんへ
私は、一般の個人がイワツバメを飼育することには賛成できません。

お話を伺う限り、ヒロさんにはイワツバメの飼育について技術的な経験がない
ように受け取りました。イワツバメは昨今ではビルや橋桁に巣を造り町中でも
見かけるようになりましたが、ツバメに比べて地上性に乏しいところがありま
す。無理に個人が飼育しようとするよりは、鳥獣センターや地域の野鳥の会が
運営する救護舎を頼られた方が良いと思います。放鳥の可能性があるのなら、
なおのことです。

また、もう1つの問題として、「傷病救護」を名目とした野鳥飼育を無くした
いという考えがあるからです。
海外ではボランティア団体による救護がありますが、我が国では傷病救護を隠
れみのとする健康な野鳥の飼育がまかり通っている面があるのです。
新潟県にあったKさんの救護舎もそのようなあやしげな救護と区別するために
閉鎖されましたし、また一方で行徳のものは個人から組織運営に変更となりま
した。それらは、密猟や密飼育と区別されるためであり、「あいつらもやって
いることだ」という言い逃れを認めないためでもあります。
野鳥は誰のものでもなく、強いて言うのであれば、みんなのものなのです。個
人が密かに所有したり、飼育するべきものであってはならないと考えるのです。

もし、ヒロさんに救護や飼育に関する経験や技術があるのでしたら、むしろ、
積極的に鳥獣センターのボランティアとして参加して欲しいと思います。


>かやちゅさんへ
輸入カヤネズミの飼育反対のキャンペーンをはることで、逆に飼育への興味を
もたれてしまうのではないか、 というお気持ちは良く分かります。
私も、その点については、なんと言ってよいのか分かりません。痛し痒しの心
情お察しいたします。

トンボやカブト虫を採りたい飼育したいという子供達の気持ちは否定しません。
むしろ、少々のことはあっても自然の一部とだけでも触れあわせてあげたいと
考えます。ハムスターも飼育したいでしょうし、カヤネズミやハタネズミだっ
て、なんて可愛い動物だろう身近に置いて眺めたいという気持ちも大切にした
いと思います。
しかし、私達はもう大人にならなくてはいけないのではないでしょうか。「少
年のような瑞々しい感性をもった大人」と「子供のように聞き分けのない幼稚
な大人」を混同してはならないと考えます。

生態系の破壊に繋がるとか遺伝子の交雑とか他人から説明される前に、自然か
ら収奪してくる野生の生命のことを気づかう必要があります。住処を奪い、住
人達をケージに幽閉しているという実態を恥じなくてはなりません。

かつて、コンラット・ローレンツは「単に死ぬまでに時間がかかっているだけ
のことを飼育とは呼ばない」と言いました。
昨今の珍しい動物を飼育したい、他人と違ったものを飼いたいというブームに
は私は賛成できません。また、飼育書が安易に飼育を勧めたり、疾病について
近所の動物病院へと逃げている点も許せません。そのような動物を飼育するこ
と自体を自制をうながす意見が記載されていないことが納得できません。

私は自然も野生の鳥獣も好きな人間ですが、彼等を所有して暮らすよりも、彼
等の暮らしている世界をそっと覗いてみるだけで我慢するべきだと考えます。
飼育下の人間に与えられたわずかな環境における生活よりも、自然の中の本来
の姿にこそ、価値を認めたいと考えますし、それをサポートされている方達を
みると応援せざるを得ません。

私は日本人にもっと大人になって貰いたいと思います。

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