獣医師広報板ニュース

野生と自然掲示板過去発言No.4000-200612-15

助けることができなかった命が残したものは
投稿日 2006年3月9日(木)19時16分 投稿者 プロキオン

助けることができなかった命が残したものは、触れることも、見ることもできません。
けれども、その命に関わった者に対しては、確かなものとして残されます。
それを形にして目に見えるようにするのは、とてもむずかしいことです。

竹田津先生も、私も獣医師ですから、「次の機会」ということを考えざるを得ないので
すが、それ自体がとても困難であり、砂を噛む想いを重ねることになります。
先日、小学生がインタビューに来て、獣医師になるのに必要なことという質問をされま
した。
私は、「動物の死に立ち会うことになる職業なので、動物の死にそのつどめげてしまわ
ない強い気持ちをもっていること」と答えました。3〜4年生くらいの女の子でしたの
で、理解できかねていたようです。
後で、ミセスプロキオンにその話をしたら、後ろで聞いていた長女が、「この間、めげ
ていたじゃないか!」とあっさりと言ってくれました。そうなんです、長女に見られて
いたんです。

死んでいった命が確かにこの世に存在していたことを覚えていてあげること、この世に
生まれてきて、存在していたことを証明してあげるために、何かを形にしてあげること
がことが必要なのです。
傷ついて立ち止まってしまうと、何も残りません。それでも前に進むことが求められま
す。ちょうど、プロジェクトXの中の「救急救命ER誕生」の話の中にも同様のことが
出ていました。
野生動物の救護に携わった者、管理センターで不用の烙印を押された命に関わる者、そ
して、その他の日常的に命に関わる者、技術として、システムとして、さまざまな命を
救いたいと願う大勢の者がいます。
個々の手法や具体的な目的は異なっても、命の生まれてきた意味を考えるところは、み
な等しく同じではないかと思います。

と、書いていたら、本日軽井沢で300頭の犬を飼育している自称ブリーダーのところ
に警察が入ったそうです。直接の容疑は「薬事法違反」だそうなのですが、キチンと「
動物愛護法」でやって欲しかったと思います。
また、映画「子ぎつね ヘレン」に対しても上映中止を求めている者もいるようです。
理由はエキノコックスの拡散を助長することになる映画だからだそうです。

自然の摂理から離れたところに行きたがるのも、また人間の特性のようです。

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