獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200107-59

すれ違いというよりは
投稿日 2001年7月12日(木)11時56分 プロキオン

miraiさんの書き込みを拝見していて思うのですが、どうも意見がすれ違
うというよりは、足踏みをしているように感じます。

誰しも、犬を鎖に繋いだり檻に閉じ込めたりしないでつき合うことができたら
それに異論を唱えることはないのではないでしょうか。犬と言う動物が人間に
よって作られ、共に歩んで来たからこそ、誰にも迷惑をかけずかけられずとい
う基本が必要であり、また飼い主も犬を守るという形態ができてきたのだと思
います。
犬の立場を考えるからこそ、飼い主としての責任が生じる訳であり、野良犬が
増えて欲しいと言ってしまったら、今まで犬と人間が歩んで来た歴史を無視す
ることにもなるし、無責任でもあります。

カオハンガの島では、犬はいますが飼育されているわけありませせん。犬達は
島のレストランや人家から出る僅かばかりの残り物を奪い合って生きています。
ボス犬とされる犬はいるのですが、より下位の犬達が2匹3匹と同時にボス犬
に襲い掛かります。ボス犬が満腹になるまで食べてしまったら、他の犬の分は
なくなってしまうので、下位の犬達がボスでさえ襲うのです。
犬社会の秩序を越える飢えがあるのです、ボス犬の恐怖を上回る程の死に対す
る恐怖があるのでしょう。どの犬達も体中に無数の噛み傷をもち、その傷口に
蠅が卵を産みつけようと付きまといます。もとより栄養状態の良い犬達ではあ
りませんので、犬達の寿命はたいへん短い状態です。
元々、島の中の話なので犬達はみな血縁関係にあります。親兄弟で死に至る争
いをしているのです。生まれてくる子犬達の出生率や生存率は低下する一方で
す。これがアジアの犬達の典型なのです。
そして、なにも海外でなくても日本でも犬達の受難はあります。春先から初夏
にかけて子犬や子猫が捨てられます。川へ投げ捨てられる、線路へほうり出さ
れる、高速道路のパーキングエリアから下へ投げ捨てられる等があります。
車に曵かれたり、からすに突かれたりした子犬達がこの季節にはよく持ち込ま
れます。

このような現実を見ていれば、犬や猫を守りたい救いたいという気持ちはワク
チン接種もフィラリア予防も必要だと認識します。去勢や避妊手術も容認しま
す。それこそが犬や猫を守る具体的な方法だからです。

避妊や去勢を自然の摂理に反するとか、犬猫にも生む権利があるとかいって、
否定する意見もあります。
では、そうして生まれて来た全ての子犬子猫をどのようにして育て守ってい
くというのでしょうか? その方法手段はあるのでしょうか?

北海道のあるところに、「犬を繋いで飼うのは日本の恥じだ」と述べている
方がいます。そこでは、多くの犬が放し飼いで分散して飼育されています。
餌は充分に供給されていますが、グループ抗争は絶えません。生まれて来た
子犬達は首都圏のペットショップに卸されています。雑種の子犬もネームバ
リューがあるので、いっしょに出荷されます。でも、買い手が現れなかった
ら、どうなるかは分かりません。

miraiさんが野良犬が増えて欲しいとか、避妊や去勢を否定するのであれ
ば、そのことによって引き起こされる問題をどのように解決するかを提示する
べきだと思います。例え、この北海道の方のような方法でもね。
ただ、「模範的な回答だ」とか「どこかのホームページにも書いてある」とか
いうような斜に構えた書き込みでは困ります。
みなさん、真剣に考えて意見を述べているのですから、その意見を異とするの
であれば、miraiさん自身が解決策を提示して下さい。そうでもしないと
話は先へ進まないし、誰も納得しないと思います。

もし、単に大勢の注目を集めたいというのであれば、目的は達成したのだから
もうこの辺りで満足しても良いのではないでしょうか。





◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:「ペット用品販売」「犬の快癒整体」OrangeCafe様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。