獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200803-12

Re:Re:Re:動物実験
投稿日 2008年3月23日(日)11時52分 投稿者 プロキオン

>具体的にどんな方法で実験してるか教えてくれますか?

それは、実験の目的によって採用される手法も動物の種類も違ってくるのではないでしょうか。当然ながら、実験をしている機関や人によって内容が異なってきますので、ひとくくりにはできないはずと思いますよ。

>私が見たサイトは本当に残酷でした。日本の研究施設で犬の足をハンマーで打ち砕かれ続けたり、バーナーでやけどを負わされたり…。

つまり、このような動物実験が実施されているというアピールを実施している側に本当の問題があるのです。
足の骨をハンマーで打ち砕いてしまったのでは、骨折の修復にはなりません。そのような破砕状態であれば、これは整復ではなく断脚の対象となってしまいます。それでは、最初から実験としての意味をなしていません。バーナーで焼くというのも同様です。火傷の治療にしたいのであれば、皮下組織まで壊死させてしまえば、そこには瘢痕しか形成されません。時を経て皮膚移植を段階的に実施していくしかありません。それは何も実験しなくても分かっていすぎることです。そういうものは、動物実験ではありません。実験としての体もなしていませんし、目的がありません。最初から意味の無い実験など誰しもしませんよ。
そのような多くの事例や写真というものは、「動物実験に反対と称している団体」が、自らの存続のために脚色を加えて流布しているもののひとつにすぎません。
先年、大阪のある大学に海外の活動家が忍び込んで動物を逃がしたり、実験データーを破壊したりして、その大学でこのようなひどい実験が実施されているというアピールを実施しました。しかし、大学側は実験内容も目的もまったく異なることを流布されたと言っています。それが実際のところなのでしょう。

「動物の虐待反対」も「動物実験反対」もそのような誰もが反対しにくい錦旗を掲げて活動し寄付をつのることによって存在している者達がいるのです。
アメリカでは一時物凄い勢いで消費者運動が活発になった時期がありましたが、それは突然急速に衰退してしまいました。その理由は、活動家達の上の方で、運動の対象とされていた企業からお金を脅し取るような行為が行われていたことが発覚してしまったからです。
正義の旗を振りかざして、大衆を扇動して動かし、その実は圧力団体として利潤を得ていたことにすぎなかったことが露見したのです。この手法は、今でも残っていますし、日本でもこの手法をまねて「動物愛護」や「動物実験反対」をとなえる団体が後を絶ちません。チワワさんが見たという写真もたぶん使いまわされてきたものであって、本当は何のどのような目的の写真か分かったものではないですよ、添付されているキャプションもたぶん、あとからつけられたもののはずです。
今はネットがありますから、そのような事もあかるみにされてしまいますし、「動物愛護」の錦旗を掲げながらの不正をやっている者達にも反対してする人たちの動きも出てきています。
写真や活字で見せられてしまうと、誰しもが真実だと受け取ってしまいがちなのですが、目に見えているものが真実とは限りません。やはり、不自然だなと感じ取る事ができる力を養うことも必要です。

水道水の残留塩素基準であれば、犬猫が実験に使用されていたら変でしょう。マウスやラットでもおかしいです。塩素であれば、病原性大腸菌が用いられることでしょう。病原性大腸菌を対象としていたからこそ、クリプトスポリジウムには効果がいまひとつということだったわけです。
アフラトキシンの毒性を試験するにはマウスが用いられましたが、どこでもその確認をしているというのでありません。一度危険性が確認されて報告されれば、それ以降はアフラトキシンそのものを検出するだけです。このアフラトキシンにも様々な種類がありますが、その相違を確認するにも動物実験は必要でした。なぜかと言えば、これは自然毒であって合成されたものではないからです。
農産物や海産物中に発生した有害物質に対して、回収廃棄を命令するとして、その生産や水揚げで生活している人たちがいます。ただ回収してくださいと言っても、素直には従えないのですよ。天然のものですから。自分達が何か仕込んだわけでもないですし。
法律でそのような命令をかけるからには、それ相当の根拠が必要なのです。となれば、一朝事ある前に動物による毒性試験で確認しておかなくてはなりません。また、従前わかっていなかった事でも事例が生じたのなら、あらたに確認しなくてはなりませんね。

私の前職に食品Gメンがあります。正式には「食品衛生監視員」ですね。動物実験をする方ではなく、その結果にもとづいて有害な食品を市場や製造所から摘発して回収させることが業務でした。同時に 家庭環境製品の監視もやっていました。
ですから、衣服の染料や糊料に関わるもの、建材や壁紙等、衣食住にかかわる人間生活全般において細菌や毒素、そして化学的物資によるさまざまな問題を知りえる機会がありました。社会における人間生活を安全で暮らしやすいものとして成立させていくうえで、さまざまなものの安全性は確認されていなくてはなりません。99.99 %以上の人間は、そのように守られている世界でないと生活していけません。動物達の犠牲のうえに成立している生活に肩までつかりこんでいると言ったのは、その事実を承知しているからです。
人間生活のために犠牲になる動物が少なくなるのにはこしたことはありませんし、誰しもが反対しないでしょう。
ところが、ごく一部に心の中で反対している者達が存在しています。それは、動物実験がなくなってしまったら、存在できなくなる活動家達です。寄付金が集まらなくなってしまえば、おそらく彼らは別の運動に転換していくことでしょう。
私の学生時代の先生の1人は、国の試験研究機関に在籍していました。そこでトリコモナスの研究をしていました。この先生がなにか特別な動物実験をしていたということはありません。先生が為したことは、種畜の管理を一元化して、自然交配をやめて人工受精の普及に努めたことです。それだけで、日本は急速にトリコモナスの清浄化へ進みました。
で、その結果、その先生は自分自身の研究テーマというか仕事を失ってしまいました。先生は、その後は退官されて私大の教員となり、学生達に相手に教鞭をとることになりました。その先生ご自身は、自らの業績を自慢することはありませんでしたが、別の先生がそれを教えて下さいました。
本気で事にとりくんだ者と、偽善から大声でさわぐ者とは、やはり違います。私が、動物愛護は大したことではないというのも、それを見ているからです。一人ひとりが自分のまわりにいる動物を大切にすれば、それで事はたりるはずなのです。
大声で正義を振りかざすものに 胡散臭さを感じるからです。私は、そのような者達に利用される気はないですし、騙されるものでもないです。
偽りの扇動にのせられることもないし、1つの命が犠牲になったのであれば、その命を別の10の命のために還元させるべく頑張るべきだと思っています。





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