毎年、この時期になると動物愛護センターが会議を開きます。狂犬病の集合注射のための会議なのですが、この時期ともなるとすでに市の広報や自治会の回覧板で日程がまわってきていたりするところもあります。
ところが、接種する獣医師のところに日程がまだ連絡されてきていないということがおき（会議の席で日程表を配布する意図があるために）、はなはだ不都合です。そのようなおかしななことがおきる理由というのが、実はお彼岸の供養があるからです。センターにおいて処分された犬達の供養にできるだけ多くの人々がお線香をあげて欲しいという意図がそこにはあるようです。
実際、このお彼岸の供養も参列してお線香をあげるのは、愛護センターや保健所職員、市町村の関係職員、直接は関係ないけれども集められた開業獣医師という顔ぶれです。
参列者やお線香を供える者のなかには、犬達をセンターへ持ち込んだ飼い主や愛護団体を名乗る人たちはおりません。私がお線香を供えるようになってだいたい２０年くらいになりますが、いままでずっとそのような状況です。
動物にとっては今生きていることこそが全てではありますが、人間の都合によって処分された犬達のために冥福を祈る日が１年に１日や２日は、あってもよいように思います。