私は臨床医なのですが、基本的には動物の飼い主です。高校生のときに犬に死なれまして、良い飼い主ではなかったことと何もできなかったことに　ひどく後悔しました。犬がもっと私といっしょにいたかったのではないかと。鎖につないで餌を与えるだけで飼い主といえるのだろうかと悔やみました。
犬にとって良い飼い主とはなんだろうと考えて、いろいろなことを勉強しているうちに獣医師の道を歩いていました。これは、さまざまな勉強の行き着く先が獣医師が最良ということではありません。パールちゃんもりんママさんも犬については、それぞれの分野でオーソリティです。獣医師というのも枝分かれした分野のひとつにすぎません、どなたも基本は「飼い主」なのですね。
愛護団体が使用しているパネル写真は、見たことがあるというよりも、いつものおなじみの写真ですね。どこの団体でもおなじみの写真の使いまわしの実態がありますから、独自の活動は為されていないのだな、自らの目で確認したのではないのだなと感じてしまうわけです。
動物愛護活動というのは、どうしても「感情」に流されがちとなってしまいます。これにも「正」と「負」の面があります。パールちゃんは、動物実験反対と唱える人の口紅が気にかかるとおっしゃられましたが、動物実験の反対者でも肉を食しますし、野菜も食べます。動物実験結果がもたらしてくれた成果を口にしているわけですし、直接生命を食べている行為でもあります。これはいかんともしがたいのです、人間がそのようにつくられてしまっているからです。
私達は「動物実験」と「動物への虐待行為」を別々なものとして分けて考えなくてはならないのです。意図的に混同させているような団体は、虐待行為からの救出よりも団体活動するための活動に落ちてしまっているように思えるのです。