獣医師広報板ニュース

動物看護師掲示板過去発言No.7000-200202-17

情けない看護士ですが・・・
投稿日 2002年2月8日(金)22時59分 シッポナ

プロキオン先生の仰っている事は、理解しているつもりでおります。
自ら「情けない看護士」と思っているのは、院長と意見が合わないからではありません。むしろ、院長と意見が合わない方が人間として幸せだと思っています。
ウチの院長はもう10年近く診療を行っていません。私と獣医師に任せきりです。病院に来てもTVや新聞を見ているだけ、獣医師がケージを閉め忘れ犬が飛びだして猫達と大騒ぎになっても、点滴のアラームが鳴っていても、洗濯機の水がだしっぱなしであふれていても、まったく無視です。
病院とは関係なく自分が抱えてしまった借金を返済するために、私達の給料を減らし、入院の子達のカルテを見ては「いつまでにいくら入るか」と、お金の事で頭がいっぱいです。もちろん患者さんを診る気はまったくと言って無いでしょう。しかし、私と獣医師が帰ってしまってから時間外で来る事故の子達は、何も処置をしないくせに無条件で預かってしまいます。
朝、見たことのない子が居て、カルテもなく・・・という状況になっているわけです。私への一言が「まぁ、適当に」です。すみません、愚痴ってしまいました。
病院には、働かない院長と、飼い主さんと食い違いが多い獣医師と、私の3人しか居ません。もちろん院長は仕事をしないので、獣医師と私で患者さんを診ているわけです。その獣医師も、「検査をしても何が起きているのか分からない、飼い主さんに何て説明したらいいのか分からない、手術にも自信がない、診断も本当に合っているのか?」と言って私に意見を求めてくるので、ほとんど私に決定を任されている状況です。
検査、入院、処置、手術、どうすることがこの子のためになるのか、何がベストなのか、少ない脳みそでいっぱいいっぱい考えても、私には限度があります。どうすればご機嫌で過ごせるか、食欲が出てくれるか、早くお家に帰れるか、ということなら誰よりも考えてあげられると思っています。しかし、本来なら獣医師が中心となって考えてくれるだろう分野の事まで私に回されて、一生懸命本を読んでも、その事に関しては自信を持てないままでいます。挙げ句には私の主治医の先生に聞いてしまいます。
飼い主さんとその子供達を守るために、どんな方法を取ろうとも、必死になって頑張っていくつもりです。例え院長や獣医師を裏切るような形になったとしても、私にとって大切な命を守るためなら!と思ってしまうのはいけないことでしょうか?辞めさせられたら飼い主さんの為にはなれませんが・・・
私を頼っている飼い主さんや子供達に、私はどれだけのことをしてあげられるだろう・・・と考えたとき、本当に自分の無力さを実感し、それでも何とかしなくては・・・とバタバタもがいているだけの自分に気付きます。情けない看護士だけど自分で何とかしなければならない、できるだろうか?ではなく、私がやらなければいけない、やる気ばかりで自信がありません。

そして、「ともさん」へ
私は高校を出て、今の病院で実習をしながら専門学校に通い、そのまま就職しました。なのである意味「世間知らず」です。他の職業に就いている同じ世代の方がどのくらいの収入を得ているのか知りません。
看護士のだいたいの平均は、給与(初任給)が13万〜15万、でしょう。
賞与(ボーナス)、交通費支給、社会保険、厚生年金、労災、など、いろいろある病院と、まったく無い病院があります。
お休みは週休1日〜2日、有給休暇はバラバラで、無いところもあります。
セミナーや資格取得に対しての補助が出る病院もあります。
ウチの院長は、「セミナーに行くぐらいなら仕事しろ」と言う人だったので、参加できずに今に至ります。やはり勉強は大切です。日々進歩しているのですから、着いて行かれなければ仕事になりません。
1人暮らしをしていかれそうですか?ヘトヘトに疲れて帰って、グ〜スカ眠ってしまうのも「頑張ってる」ということです。
でも、この仕事は(どの仕事もですが)体が頑張れなくなったらお終いです。いっぱい食べていっぱい眠って、元気な笑顔で飼い主さんと接することができたら、飼い主さんと子供達の笑顔もきっと見れますよ。
頑張ってくださいね。まだまだ分からないことがあれば、メールを送ってください。

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