獣医師広報板ニュース

動物園・水族館掲示板過去発言No.8000-200403-72

はじめまして
投稿日 2002年8月15日(木)09時22分 投稿者 sango

こんにちは。
こちらの掲示板には初めて書き込みさせて頂きます。

「同じイルカが3度も出産していずれも育てられなかった」
書き込みされた日付を見て、
私が大好きでしばしば足を運ぶ水族館での出来事だとすぐ分かりました。
私には辛い話題です。

この水族館では、かつて同居のイルカ(スナメリ)も出産しましたが育児放棄しました。
そのため飼育員の方が人工哺育を試みましたが成功しませんでした。
イルカ・クジラ類は人工飼育下での人工哺育は成功例がないそうで、
母親から取り上げた時点で死亡率が格段に上がると言うのが現状だそうです。

件のスナメリは、
1度めは完全に育児放棄、
2度目は母親自身のトラブルでやむなく育児放棄、
そして3度目には不完全ながらも育児行動らしき事をしています。
ただ哺乳行動の頻度のわりに痩せており、お乳の出が悪かったのではとも推察されています。
飼育員の方も、母親に任せておく事が一番生存の確率を残しておく事になると考え、
毎日祈る思いで観察を続けておられたと思います。
スナメリは絶滅が危惧される動物でもあります。
飼育下での繁殖が成功すれば、その種を存続させる事にもつながると思いませんか?
種を絶滅から守る事は、動物園・水族館の使命でもあります。

「それでも産ませるの?」
3度の出産経験を経て、このスナメリは母親になりつつあった、と私は思います。
亡くなった子の死を無駄にしない事こそが、私たちが心掛けるべき事だと思います。

先ごろこの水族館では、世界一長期間にわたり飼育されてきたスナメリが亡くなりました。
おそらく長寿世界一でもあるはず。

ここは様々な研究で世界的に学術的功績を上げている水族館でもあります。
水族館スタッフの方々も、ただ飼育しているだけ、
産ませているだけではないと言う事は理解してあげて下さい。

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