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君のためなら千回でも      


2007年 アメリカ ロマンス   

<監督>マーク・フォースター
<キャスト>ハリド・アブダラ , ホマユン・エルシャディ

<ストーリー>
ソ連侵攻前のアフガニスタン。裕福な家庭の少年アミールは、召使いの息子ハッサンと親友同士で、いつも一緒に遊んでいた。12歳の時の、恒例の凧上げ合戦でアミールは優勝し、意気揚々と、凧を追いかけるが、その時、アミールは、ハッサンが暴行を受けている現場を目撃してしまう。その日から、彼はハッサンを避けるようになり、そのうち、ソ連軍の侵攻とともに、二人は、そのまま別れ離れになる・・・。

<感想>
驚くのは、アフガニスタンの風景の美しさです。
こんなに自然豊かで、平和な生活があった場所だったとは・・・。今私たちが目にするアフガニスタンは、草木のない、荒涼とした国土と、人々の貧しい生活・・・。実は、侵攻、内戦そして戦争と、人が、自然をこんなに変えてしまったのですね。悲しくて、怖ろしい現実です。

アミールが子供時代に行われていた、凧揚げ合戦の、あの生き生きとした表情は、どうでしょう。舵取り役と、糸出し役がいるのでしょうか。二人の呼吸がぴったりと合っていないと、敵の凧を落とすことは出来ないようでした。この時のアミールと、ハッサンの真剣で、楽しそうな様子!(^^)。とても印象的でした。

しかし、その後、ハッサンの身の上に起こったことと、アミールの葛藤、ソ連侵攻による国外逃亡、そして、驚きの真実。
ストーリーは、彼らの30年にわたる物語を描いています。まさに激動の30年間で、また、アフガニスタンの苦難の歴史でもありました。

子供時代の小さな過ちは、誰にでもあることでしょうけれど、取り返しのつかない、後悔してもしきれない過ちをしてしまった場合、それは、いつまでも心に焼き付いてしまうのかもしれません。
全身全霊で、アミールのために尽くしてくれたハッサンのことを思うと、映画を見ている私も、胸が痛みました。だからこそ、その償いが出来る時に、アミールは、危険を顧みず、行動できたのでしょうね。

ラスト、やっと許されるようになった凧揚げをするシーンがあって、良かったなぁとは思いますが、失われた自然や、傷ついた人の心を元に戻すには、これからも、多くの時間と努力が必要なのでしょうねぇ。(2009,06,14)



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