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空母いぶき      


2019年 日本
サスペンス・戦争   

<監督>若松節朗
<キャスト> 西島秀俊 , 佐々木蔵之介 , 玉木宏 , 市原隼人 , 金井勇太 , 袴田吉彦 , 中井貴一 , 村上淳 , 藤竜也 , 佐藤浩市, 本田翼

<ストーリー>
近未来。日本の最南端の島が、国籍不明の軍事勢力によって占領された。日本政府は、空母いぶきを現場に向かわせる・・・。

<感想>
原作は、かわぐちかいじの大ヒットコミックだそうです。
ある日突然、日本の最南端の離島が、国籍不明の武装集団に占拠された。さて、日本は、どうするか・・・?という話です。

軍隊を持った国ならば、こんな時は、戦争も厭わず、すかさず攻撃して、島を奪還するところでしょうが、日本は、戦争を放棄し、専守防衛を謳っている国であるわけで、どこまで我慢し、どこから反撃するのか、そして、相手に対して、どこまでの攻撃が赦されるのか。そこがややこしいところです。
映画は、そのあたりの葛藤をわかりやすく描いていたと思います。
といっても、見終わっても、全然すっきりとしないのは、やはり、専守防衛の難しいところでしょうか。

相手の攻撃に対して、その都度上官が反目していたり、葛藤したり、そんな悠長なことでいいんかい?!と、映画ながら心配になりました。

結局、安保があるといっても、緊急時にアメリカが頼りになるとばかりはいえず、国連決議とか、時間かかりすぎて、最前線で命を張っている彼らは、自分たちの判断で、結局全てを負わされているようで、気の毒に感じました。

結末は、急転直下で、ご都合主義的でした。
でも、日本にとって、これ以上最良の結末はないのかもしれません。

日頃戦争映画を見ないせいか、命令系統があれでいいのか、もっと迅速に反応しなくていいものなのかなどよく分からない事も多々ありましたが、
護衛艦の動きやその使命、攻撃の種類とか、ミサイルを見事に打ち落とすところとかは、なかなか見応えあって面白かったです。

しかし、結局、私を含めて、日本人は平和ぼけですか。
まあ、それが平和で幸せの証しなんだと強がってみても、こういう映画を見ると、限りなく不安にもなってしまうのでした。(2019,05,26)






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