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2023年 アメリカ、イギリス、ポーランド (THE ZONE OF INTEREST)

<監督>ジョナサン・グレイザー
<キャスト>
クリスティアン・フリーデル, ザンドラ・ヒュラー
<ストーリー>
アウシュビッツ収容所の隣に、壁一枚で、隔てられた家に住むヘス一家(クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラー)は、子供たちと賑やかに、平和に暮らしていた・・・。
<感想>
2023年のアカデミー賞授賞式の時に、何度も流されていた作品なので、ホロコーストの映画ということは、分かっていましたし、この題名から、薄々と内容にも気がついていました。
冒頭、映画は、子供たちと水遊びをする穏やかな家族の休日の様子が映し出されます。
それは、どこにでもあるような、ちょっと裕福な一家の様子です。
大きな家と、広い庭では、花や野菜が育っています。
荷物が届いて、それを皆で分ける様子、川に何かが流れてきて色が変わってゆく様子。
その荷物は、収容所から、その川の流れは、焼却場からなのでした。
それらの風景が、ごく当たり前のように、描かれていました。
穏やかな風景なのに、恐ろしく、ぞっとします。
たった一つの壁に隔てられた天国と地獄。
悲惨な映像は、一切描かれていず、壁のこちら側の様子しか分かりませんが、その普通さが恐ろしかったです。
その家に住む主婦を先日見たばかりの「落下の解剖学」のザンドラ・ヒュラーが演じていました。
出所が分かっているドレスや口紅をなんの躊躇もなく自分のものにしてしまうのが、禍々しい。
それが、当然と思っているところが恐ろしい。
人間をそんな感覚にしてしまう戦争が怖いです。
夜のシーン?のあの少女とリンゴ?の意味は?よく分かりませんでしたが、この一家とは、真逆の存在であるのだと感じられました。
(2025,08,09)
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