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こわれゆく世界の中で      


2006年 イギリス・アメリカ ロマンス・スリラー   

<監督>アンソニー・ミンゲラ
<キャスト>ジュード・ロウ , ジュリエット・ビノシュ , ロビン・ライト・ペン , マーティン・フリーマン , レイ・ウィンストン , ヴェラ・ファーミガ

<ストーリー>
建築家のウィル(ジュード・ロウ)は、ロンドンのキングス・クロス地区に新しくオフィスを開いた。しかし、続けて2回も、窃盗の被害に遭ったため、自分自身で、オフィスを見張ることにした。そしてある夜、オフィスに侵入しようとする若者ミルサド(ラフィ・ガヴロン)を見つける。彼を追いかけて、自宅を確認したウィルは、彼の母親アミラ(ジュリエット・ビノシュ)にいつしか惹かれてゆく・・・。

<感想>
人生に行き詰まりを感じた時、思い切って全てを壊してしまうのも、手かもしれません。

新しくオフィスを持ったウィルは、仕事は、順調だったが、一緒に暮らしている恋人、リヴに、心の病を抱えた娘がいるために、三人の生活には、見えない壁が立ちはだかっていた。
そんな彼の前に、ボスニアから亡命してきた母子が現れて・・・。

簡単に言うと、ジュード・ロウが浮気しちゃう話なのですが、3人の心理描写が、きめ細かく描かれていて、微妙な心理を感じ取ることの出来る映画でした。

リヴとウィルの関係も、よく分かります。愛し合っているのに、一緒に生活するとなると、愛だけでは、物事はうまくまわってゆきません。リヴの心の中の大部分は、心の病にかかっている娘のビーが占めているので、ウィルは、彼女を愛しているのに、報われない思いを常に感じているようでした。
そんなことならば、恋人同士のまま、別々に暮らした方が、楽なはずなのに、結婚もせずに、同居していること自体、中途半端で、無理があるように思いました。きっと、そのタイミングを逃してしまったということなのでしょうね。

そんなピリピリした状態のウィルの心の中に、アミラがふわりと、入り込んでしまいます。
彼女との思いを遂げたウィルが、あそこまで熟睡してしまうのには、笑ってしまいますねぇ(^^)。
でも、アミラにも、ある目的があったのですが・・・。

個人的にジュリエット・ビノシュが苦手なので、ジュード・ロウが、彼女にのめり込む気持ちに感情移入できなかったのが、ちょっと痛かったですが、このラストは、案外好きです(^^)。停滞した関係に、なんらかの活(かつ)が入ると、うまく回り出す事って、あるような気がします。

アミラの息子役のラフィ・ガヴロンは、この作品が映画デビューですが、彼の身のこなしが見事で、ぷち「YAMAKASI ヤマカシ」みたいでかっこよかったです(^^)。

また、この作品が、急逝したアンソニー・ミンゲラ監督の最後の監督作品となりました。(2008,08,02)



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