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消えた天使      


2007年 アメリカ アクション・犯罪・スリラー   

<監督>アンドリュー・ラウ
<キャスト>リチャード・ギア , クレア・デインズ , ケイディー・ストリックランド , レイ・ワイズ , マット・シュルツ

<ストーリー>
上司から退職を言い渡されたエロル・バベッジ(リチャード・ギア)は、18年間、性犯罪登録者の監察官を勤めていたが、仕事にのめり込みすぎて、精神的に、追い詰められていた。 退職まであと18日となったある日、後任のアリスン・ラウリー(クレア・デインズ)がやってきた。彼とともに、担当地域を回るうちに、アリスンは、彼の行き過ぎた仕事ぶりに反発を覚えるのだった・・・。

<感想>
『米国で登録されている性犯罪者は50万人以上。一人の監察官が1000人の登録者を監視する。米国では2分に1人、女性または児童が性的暴行を受けているーー』
こんな事実を示されると、おちおち外を歩けなくなりそうです。これは、アメリカでのことですが、日本でも、同じ人物が、性犯罪を繰り返すことが問題になっています。日本にも、彼らを監視するこの監察官のような仕事をする人は、存在するのでしょうか・・・?

映画では、リチャード・ギアが、熱血監察官を演じています。ただ、彼の仕事は、少々度が過ぎているらしく、上司からも、同僚からも、厄介者扱い。確かに、陰で彼は、人に言えないようなこともしているようでしたが、それも、彼のやむにやまれぬ思いから・・・と、思いたいです。でも、彼が、そんな行動に走る具体的な原因は、明らかにされません。ただ、この仕事に長い間関わったために、心身ともに追い詰められた状況だったと説明されます。

彼の仕事ぶりは、新人のアリスンとともに、見ることが出来ます。確かに、そこまでしなくても・・・と、思ってしまうほどの傍若無人ぶり。思わず、犯罪登録者に同情してしまうのですが・・・。

実態は、この映画よりも、もっと残酷で、凄惨なのかもしれません。でも、映画だけでも、十分に見るのが辛く、重苦しい気分にさせられました。
被害者が味わった恐怖や痛み、残された家族にもたらされる永遠に消えない悲しみが、心に迫ってきます。
人間とは、いったいどうゆう動物なんだろうと、考えさせられてしまいました。

それにしても、監察官があそこまでするのは、いくら何でもやりすぎでは??早く警察に連絡を!!と、ずっと思ってました。あれじゃ、命がいくつあっても、足りないわーーー(^^;。少なくとも、銃の訓練ぐらいは、しておかないとねぇ。

キャストのリチャード・ギアは、いつものダンディーな彼とは、全く違いました。高圧的で、暴力的で、そして、孤独な役柄です。
久しぶりに見たアリスン役のクレア・デインズは、心の奥底に、何かを秘めているような女性を好演していました。
この映画で、女優デビューのアヴリル・ラヴィーンは、ほんのちょい役でしたが、いつものメイクそのまま?でも、ちゃんと役柄に合ってました(^^)。

映画の雰囲気は、全体にカラーを押さえた色調で、ドキュメンタリーテイスト。「セブン」を彷彿とするシーンも何カ所かありました。 (2007,08,04)



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