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警官の血      


2022年 韓国 (THE POLICEMAN'S LINEAGE)
サスペンス・犯罪    

<監督>イ・ギュマン
<キャスト>チョ・ジヌン, チェ・ウシク, パク・ヒスン, クォン・ユル

<ストーリー>
警察官殺害事件が発生し、その裏にエース刑事のパク(チョ・ジヌン)の関与が疑われた。その調査のため、新人刑事チェ・ミンジェ(チェ・ウシク)が内偵として配属されるが・・・。

<感想>
韓国映画ですが、原作は佐々木譲さんの「警官の血」です。
私も読みました!すごい作品でした。でも、内容、すっかり忘れてました(^_^;。
と言うことで、新鮮な気持ちで鑑賞。
重厚感があって、見応えありました。

タイトル通り”警官の血”の話です。
それは、血筋という意味でも、警官としての熱い思いという意味でもあるのでしょうか。
このあたりは、原作では、もっと深い血のつながりが描かれているので、分かりやすいかもしれません。
また、劇中で使われる”モグラ”という言葉も、警察内での監察のことでもあり、犯罪組織に潜入する捜査のことも指しているようです。
どちらにしても、”モグラ”は、捜査にとって必要不可欠ではありますが、裏切り者として危険の伴うシビアな仕事です。

主演の刑事パクは、犯罪者の懐に飛びこむために、警察としてぎりぎりの線を進んで行くわけで、いわゆるグレーゾーンを保つのは、相当の意志の強さと、決意と、自身の心の葛藤が必要で、並大抵の者が出来ることではないと思われるのでした。
それは、彼らに近づくための資金源の問題からも始まっているわけで、なんとも超人的に思えるのでした。
それでも、そこをクリアして、悪を取り締まるパク刑事のタフさには、驚かされました。
こういう潜入捜査が描かれている作品を見るに付け、彼らの心情と、その結末を思うと、心が痛むのでした。

主演は安定感のあるチョ・ジヌ。
悪に染まっているのか、それとも悪を憎む正義漢なのか。どちらにも取れるいわゆるグレーゾーン演技で、すぐに作品に引き込まれました。
新人刑事役のチェ・ミンジェも、葛藤を抱える役柄でよかったです。

ただ、内容が込み入っていて分かりにくく、またいつものように、韓国映画ならではの、名前と顔が見分けにくいです。もっとじっくり見直せたら、評価が一段階上がるかも。(2023,12,18)



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