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幸せパズル      


2010年 アルゼンチン・フランス
   

<監督>ナタリア・スミルノフ
<キャスト>マリア・オネット , ガブリエル・ゴイティ

<ストーリー>
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、専業主婦のマリア(マリア・オネット)は、平凡な毎日を重ねていた。そんなある日、誕生日プレゼントにもらったジグゾーパズルを何気なく始めた彼女は、その面白さに夢中になってゆく・・・。

<感想>
何の情報も入れずに見始めましたが、冒頭の、次々に出来上がる家庭料理に、食いしん坊な私は、心を(っていうか胃袋を)つかまれました。
手のかかった料理の数々を、パーティーに集う人々のために、一人で作り、一人で、振る舞うマリアの姿には、ちょっとした、あこがれと尊敬を感じたりしました。
でも、実は、それがなんと、彼女自身の誕生日のパーティーだったのです。
それが分かると、なんだか、それまでの見方とは変わってしまいます。
でも、彼女は、それを、嫌々しているわけではなく、また、家族が、無理矢理働かせているわけでもないようで、ただ単に、それが彼女の日常なのでした。
そのことが、うれしいのか、悲しいのかは、彼女が、終始、無表情なので、本当の気持ちは、実は、よく分からないのでしたが・・・(^_^;。

そんな彼女が、ある日、目覚めてしまうのです。ジグゾーパズルの面白さに。
そして、一人でパズルをすることに飽き足らず、大会にも出場してしまうのでした。

素人の彼女が、プロ並みの人と共にパズルをしたり、ジグゾーの常識を覆すようなやり方でのパズルの取り組み方に、強引さも感じましたが、何かに、突然はまってしまうという、どうしようもない衝動は、私にもよく分かりました。

ただ、この邦題、ちょっとイメージ違います。

見る人によっては、どこが”幸せ”なのか分からないという人もいるような気がします。
こんな事で、家庭が壊れたら、それこそ”不幸なパズル”ですからねぇ(^_^;。
私も、最初そうでした。
突然終わるラストにも、ちょっとびっくり。

でも、見終わって、しばらくするうちに、何となく分かってきたような気がします。
彼女にとっての小さな幸せ、達成感、そして、誰も知らない一人だけの秘密・・・。。
家族の幸せだけを自分の幸せだと思ってきた彼女の、ささやかな秘め事。
そんなことがあっても、いいんじゃないでしょうか。
この終わり方は、女性監督ならでは、という気がしました。(2013,11,03)



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