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散歩する侵略者      


2017年 日本
SF・ミステリー   

<監督>黒沢清
<キャスト>長澤まさみ, 松田龍平 , 前田敦子, 満島真之介, 光石研, 東出昌大, 小泉今日子, 笹野高史, 長谷川博己

<ストーリー>
行方不明になっていた加瀬鳴海(長澤まさみ)の夫・真治(松田龍平)が保護されるが、彼の性格は一変していて、記憶も不確かだった。家に連れて帰っても、異様な行動を続けるのだった・・・。

<感想>
題名が魅力的で、いつか見たいと思っていた作品です。
元々は、劇作家・前川知大が主催する劇団イキウメの同名舞台劇なのだそうです。

いったい、何がどうなっているのか、最初はさっぱり分からないのですが、妻・鳴海の目線で、徐々にその異常な状況が分かってきます。
この過程がなかなか面白くて、成る程、そういうことなのかと思ったり、結構笑えるところもあるのですが、実際には、どんどんシビアな状況に向かっていくのでした。

そして、侵略者の知りたがる、人間の”概念”とはなんぞや。です。
”家族”とか、”仕事”とかは、イメージしやすかったですけれど、”命”とか”自分”とかは、なかなか難しい。
どうせ侵略して人間を抹殺してしまうのだから、人間のことを調べても意味がないと思うのですが、そこが侵略者の学習意欲なのか、それとも、やはり、それによって侵略の是非を問うということなのか。

最後に侵略者が奪った”あの概念”。
やっぱりこれこそが人間の一番大切なものという結論は、とても納得できることで、それにより、人類は救われたというのは、ベタかもしれないけれど、とてもいいラストだと思いました。

キャストは、豪華で、それぞれがとてもいい味わいで、面白く見ることが出来ました。(2022,02,26)



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