シネマチェックトップページ50音別indexサ行index


その名にちなんで      


2006年 アメリカ・インド   

<監督>ミーラー・ナーイル
<キャスト>カル・ペン , タブー , イルファン・カーン , ジャシンダ・バレット , ライナス・ローチ

<ストーリー>
1974年、インド・コルカタの学生アショケ(イルファン・カーン)は、祖父を訪ねるために列車に乗っていた。偶然乗り合わせた老人に、「海外に出て経験を積め」と勧められた直後に、列車が転覆。アショケは、たまたま持っていたゴーゴリの本で、命を救われた。その後、アメリカの大学に進学した彼は、見合いで、アシマ(タブー)と結婚し、生まれた子供に、ゴーゴリ(カル・ペン)と名付ける・・・。

<感想>
”海外に出て、世界を見ること”。そのアドバイスを忠実に守って、アメリカで生活したアショケの生涯。そんなアショケと結婚して、インドから、突然アメリカでの生活に飛び込んだアシマ。そして、アメリカで生まれ育った息子ゴーゴリ。
同じインドの血が流れていても、この3人の考え方が違ってくるのは当たり前で、特に、両親とゴーゴリとの間のジェネレーションギャップが特に大きいのは、仕方がないことなのでしょう。
「ぼくの国、パパの国」「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」「ベッカムに恋して」にも、一世と二世との間の考え方の隔たりが描かれていて、どの国でも、どの時代でも、同じように苦しむ問題のようです。

そんな二世代の生活を描いた作品ですが、最も印象的だったのは、母親役のアシマの存在です。インドでは、高学歴の彼女。でも、結婚する相手は、アメリカ製の靴を履く、ほとんど知らない男性で、しかも、結婚したとたん、夫以外、誰一人知る人のいないアメリカという未知の国に行くわけです。
どれほど心細かったことでしょう。
それでも、着々と生活基盤を作り上げていく彼女のたくましさや、徐々に、愛情を深めていく夫婦の様子が、とても微笑ましかったです。

そして、息子・ゴーゴリは、親に反発しながらも、自分の名前の由来を知り、その不思議な運命を知るのでした。そして、体内に流れるインドの血を改めて感じ、それを大切にしようと思い始めるのですが・・・。

他国で生活していると、自分の血のルーツは見失いがちで、その風習や伝統は、意識して守ってゆかなければ、消えてしまう運命にあるのかもしれません。
それにしても、インドの人たちの結束は、固いですね〜。文化も強烈ですし、特に階級的に上の人たちが移住しているので、守っていこうという思いも強いのかもしれないですね。

それから、アシマ役のタブーさんの美しいこと!!結婚前の若い頃から終盤まで、その時の年齢に応じた演技が、とても印象的でした(^^)。(2009,04,19)



シネマチェックトップへ