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卒業の朝      


2002年 アメリカ   

<監督>マイケル・ホフマン
<キャスト>ケヴィン・クライン , エミール・ハーシュ , エンベス・デイヴィッツ , パトリック・デンプシー , ポール・ダノ , ジェシー・アイゼンバーグ ,

<ストーリー>
アメリカ、ヴァージニア州にある名門校、聖ベネティクト校で歴史学を教えていたウィリアム・ハンダート(ケヴィン・クライン)は、25年前に卒業したセジウィック・ベル(エミール・ハーシュ)から招待を受ける。ベルは、同校の伝統行事「ジュリアス・シーザー・コンテスト」に再び挑戦するというのだった・・・。

<感想>
普通の「先生もの」とは違って、少々ほろ苦いテイストの物語でした。
でも、実際、教育者も人間であるわけで、全ての生徒にすばらしい教えを説いて、良い方向に導けるものではなく、長い教員生活の中では、苦々しい思いや、自分の力不足を感じることも多いのではないでしょうか。

この物語は、25年前の名門高校の話で、いいところのお坊ちゃんが集まる学校の物語です。高校生と言っても、皆、しつけが行き届いている上に秀才揃い。将来の国を支えるような生徒達で、もちろん、先生に反抗するような生徒は居ません。授業風景も、整然として、生徒達は素直。こんな子供達を教えることは、やはり教師として、喜びを感じることでしょうね〜。しかし、そこに一人の転校生ベルがやってきます。このベルが問題児で、それまで、模範的だった生徒達が、彼に扇動されて、色々な問題を起こすようになってしまうのです。
そこから、ハンダート先生の苦悩が始まるわけですが、今の日本の教育現場と比べたら、まだまだ恵まれているかもね〜〜とも思ってしまいました。

問題児役のエミール・ハーシュが、「バスケットボール・ダイアリーズ」や「太陽と月に背いて」の頃のレオナルド・ディカプリオを彷彿とさせるような感じの青年で(もちろん男前はレオの方がずっと上だけど)、好演してました。
先生役のケヴィン・クラインも、もちろん好演です。かつて犯してしまった過ちのために長年苦しんできた教師としての葛藤が心に迫ります。
それにしても、三つ子の魂百までってことですかね。人間って、大人になったって、そんなに変わるもんじゃないんですよねーーー。(2006,06,01)



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